【頻繁なゲップ・おなら・お腹の張り】呑気症(空気嚥下症)の原因と、自律神経を整える漢方アプローチ

「食事のあと、お腹がパンパンに張って苦しい」

「人前でゲップやおならが出そうになり、我慢するのが辛い」

「無意識のうちに奥歯を噛みしめていて、顎や首が痛い」

それは「呑気症(どんきしょう/空気嚥下症)」かもしれません。
呑気症とは、無意識のうちに大量の空気を飲み込んでしまい、胃や腸に空気が溜まることで、頻繁なゲップ、おなら(ガス)、腹部膨満感(お腹の張り)、胃もたれなどを引き起こす状態です。
日本人の約8人に1人がこの症状を経験すると言われ、特に20代〜50代の女性に多い傾向があります。

「人前でガスやゲップを我慢しなければならない」という状況がさらに強いストレスとなり、症状を悪化させてしまう悪循環に陥りやすく、気分の落ち込みや「うつ状態」に繋がってしまう方も少なくありません。
Reiyodoでは、単にガスを抜くだけではなく、空気を飲み込んでしまう根本的な原因である「自律神経の乱れ」や「胃腸の弱り」に漢方でアプローチし、心身のバランスを整えるサポートを行っています。


目次

西洋医学の視点

呑気症(空気嚥下症)で内科や胃腸科を受診した場合、西洋医学では今起きている辛い症状(ガス、胃の不快感など)を抑えるための対症療法が中心となります。
具体的には、腸内のガスを潰して出しやすくする消泡剤ガスコン、ジメチコンなど)や、胃腸の働きを促す消化管運動機能改善薬が処方されます。

また、胃酸が逆流して逆流性食道炎のような症状を併発している場合には、胃酸の分泌を抑えるお薬PPIやH2ブロッカーなど)が用いられます。
精神的なストレスが非常に強い場合には、心療内科にて抗不安薬や抗うつ薬SSRIなど)が処方されることもあります。

さらに、呑気症の中には、ストレスで無意識に歯を食いしばることで空気を飲み込む「噛みしめ呑気症候群」というタイプがあります。
これにより顎の痛み、ひどい首こり・肩こりが生じる場合、歯科でマウスピースを作成したり、痛みを抑えるためにロキソニンなどの解熱鎮痛剤が処方されるケースも珍しくありません。


西洋医学と東洋医学(漢方)のアプローチの違い

西洋医学の治療は、「溜まったガスを消す」「胃腸を強制的に動かす」「痛み(肩こり・顎の痛み)をロキソニン等で抑える」といった、即効性のある対症療法に優れています。
しかし、「空気を過剰に飲み込んでしまう」という根本的なストレス反応そのものを変えるものではないため、お薬をやめると繰り返してしまう場合があります。

一方、東洋医学(漢方)は、「なぜ無意識に空気を飲み込んでしまうのか?」という根本原因に着目します。
呑気症の最大の引き金は「ストレスによる自律神経の乱れ」です。
漢方では、ストレスで過緊張状態になった心身をリラックスさせ(気を巡らせる)、同時に胃腸の働きを助けて栄養をしっかり吸収できる土台を作ることで、症状が起こりにくい身体づくりを目指します。
「薬を飲んでもすぐにお腹が張る」「精神的なストレスで胃腸の調子を崩しやすい」という方に、漢方の穏やかなアプローチは非常に相性が良いとされています。


漢方が考える原因

Reiyodoでは、呑気症の主な原因を東洋医学の観点から以下の3つに大別し、お客様の体質や症状に合わせてオーダーメイドで漢方をお組みしています。

原因のタイプ具体的な状態・特徴東洋医学(漢方)のアプローチ方向
ストレスによる
自律神経の乱れ
(気滞)
緊張すると空気を生唾と一緒に飲み込む。
ゲップやおならが多い。
イライラ、ため息、噛みしめ癖。
ストレスにより滞ったエネルギー(気)を巡らせます。
自律神経を整える漢方」「気の発散を促す漢方で過緊張を解きほぐします。
胃腸機能の低下
(脾虚・気逆)
胃もたれ、吐き気
少し食べただけでお腹がパンパンになる。
胃酸が上がる感じ(逆流性食道炎傾向)。
過剰な空気により胃腸がダメージを受けています。
胃腸を整える漢方で消化吸収を助け、上へ逆流しようとする気を正常に下ろすサポートをします。
慢性化による体力
・エネルギー不足
(気虚)
症状を気にして食欲不振に陥っている。
常に疲労感がある、身体が重だるい、気力が湧かない。
症状の長期化や食欲低下により、身体のエネルギーが枯渇しています。
エネルギーを与えて体力を補う漢方で、身体のベースとなる回復力を底上げします。

【先生コラム①】無意識の『噛みしめ』がお腹の張りの原因に?張り詰めた神経を緩める漢方

担当薬剤師:櫻井絵梨子(病院・調剤薬局での勤務経験あり)

呑気症のご相談でよくお見受けするのが「噛みしめ呑気症候群」です。
パソコン作業中の集中や、仕事のプレッシャーにより、無意識に奥歯をグッと噛みしめていませんか?
この時、舌が上あごに押し付けられ、唾液と一緒に大量の空気を胃に送り込んでしまうのです。

顎の痛みや肩こりがひどく、鎮痛剤を手放せないという方もいらっしゃいますが、根本には「交感神経の過剰な昂り」があります。
漢方で張り詰めた神経(気)を緩めてあげることで、自然と肩の力が抜け、噛みしめ癖やお腹の張りが和らいでいくのを実感していただけるはずです。

【先生コラム②】『人前で我慢しなきゃ』が更なるストレスに。第二の脳である胃腸を優しく労る漢方

担当薬剤師:武田隆芳(病院・調剤薬局での勤務経験あり)

呑気症は20代から50代の女性に多いとされていますが、これは女性が環境の変化やホルモンバランスの波によって、自律神経を乱しやすいことが影響しています。
また、「人前でゲップやおならをしてはいけない」という強い思い込みが更なるストレスを生み、食欲不振やうつ状態に陥ってしまう方も少なくありません。

胃腸は「第二の脳」と呼ばれるほど、ダイレクトにストレスの影響を受けます。
まずは傷ついた胃腸を漢方で優しく労わり、全身のエネルギーを補うことで、心にも身体にも余裕を取り戻すお手伝いをさせていただきます。


呑気症の症例経過

① 30代 女性(仕事のストレスによる腹部膨満感)

職場でのプレッシャーが強く、午後になるとお腹がパンパンに張ってガスが溜まり、仕事に集中できないとお悩みでした。
ストレスによる自律神経の乱れ(気滞)と捉え、「気の発散を促す漢方」と「自律神経を整える漢方」をご提案。
1ヶ月の服用でガスが溜まる感覚が減りはじめ、3ヶ月目には人前での不安も薄れ、快適に仕事に取り組めるようになったとご報告いただきました。

② 40代 女性(噛みしめ癖・肩こり・顎の痛み)

無意識に歯を食いしばる癖があり、頻繁なゲップに加え、酷い肩こりと顎の痛みに悩んでおられました。
鎮痛剤に頼る日々をどうにかしたいとのご相談です。
心身の緊張を解く「自律神経を整える漢方」と「胃腸を整える漢方」を併用していただきました。
服用を続けるうちに、気づけば歯を食いしばる時間が減り、それに伴ってゲップの回数も減少。
鎮痛剤を手にする頻度も大きく減ったとお喜びです。

③ 20代 女性(慢性的な胃もたれと食欲不振)

空気を飲み込む癖から常に胃が重く、食べるのが怖くなり食欲不振と強い疲労感(気虚)に陥っていました。
まずは身体のベースを作るため「エネルギーを与えて体力を補う漢方」を中心に、「胃腸を整える漢方」をお組みしました。
少しずつ食事が美味しく感じられるようになり、体力が戻るにつれてストレスへの耐性もつき、呑気症の症状自体も気にならなくなっていきました。


呑気症のお悩みに関するQ&A

病院で処方された胃腸薬や痛み止め(ロキソニン等)と併用しても大丈夫ですか?

基本的には、病院のお薬(ガスコンなどの消泡剤PPIなどの胃薬ロキソニンなどの鎮痛剤抗不安薬など)と漢方薬の併用は可能です。

辛い症状は西洋薬で和らげつつ、漢方で根本的な「自律神経の乱れ」や「胃腸の弱り」を整えていく併用は効果的です。
安全のため、現在服用中のお薬がある場合は、事前に担当薬剤師へお知らせください。

漢方薬を飲む以外に、日常生活で気をつけることはありますか?

香辛料、油っぽいもの、炭酸飲料の過剰摂取は胃腸への刺激となり、ガスを発生しやすくするため、なるべく控えることをおすすめします。
また、早食いや「すする」ような食べ方も空気を一緒に飲み込みやすいため、ゆっくりよく噛んで食事をすることが大切です。

Reiyodoでは、漢方のお渡しだけでなく、こうした食事や生活養生のアドバイスも行っております。

呑気症の漢方は、どれくらいの期間飲む必要がありますか?

呑気症はストレスや生活習慣が深く関わっているため、体質の土台を整えるにはある程度の期間が必要です。
まずは細胞が生まれ変わるサイクルの目安である「約3ヶ月」を目標に継続していただくことをおすすめしています。

早い方では数週間で「お腹の張りが落ち着いてきた」と感じられますが、再発を防ぎストレスに強い身体を作るためにも、焦らずじっくりと取り組んでいきましょう。


併せて読みたい関連疾患・お悩み

呑気症(空気嚥下症)は、胃腸のトラブルや自律神経の乱れと密接に関わっています。

以下の記事も併せてご覧ください。

【逆流性食道炎】 (胃酸の逆流、胸焼け、呑酸)
【過敏性腸症候群(IBS)】 (ストレスによる下痢、便秘、ガスだまり)
【自律神経失調症】 (イライラ、不安、動悸、めまい)
【胃痛・慢性胃炎】 (胃もたれ、食欲不振、みぞおちの痛み)
【うつ病・不安神経症】 (気分の落ち込み、やる気が出ない)
【慢性的な肩こり・緊張性頭痛】 (噛みしめ、顎関節の不調)


漢方薬剤師 櫻井 絵梨子(さくらい えりこ)

病院・調剤薬局の勤務を経て漢方の道へ

関心のある疾患:婦人科疾患・不妊症

【趣味】
旅行・美味しいお店巡り


漢方薬剤師 薬局長 武田 隆芳(たけだ たかよし)

実績:病院勤務4年・調剤薬局勤務8年の臨床経験 合計12年間

西洋医学の最前線で多くの患者さんと向き合う中で、薬で症状を抑えるだけではない「根本的な治癒」への渇望が芽生える。

・「身近な人の悩みにもっと深く関わり、本当に治る手助けがしたい。」
・「薬だけでなく、身体の内側から体質を変えていく感動を伝えたい。」

という強い想いから漢方の道へ。 現在は呼吸器や皮膚トラブル、精神疾患などを得意とし、漢方薬の処方はもちろん、食事や生活習慣のアドバイスまで含めた「二人三脚のサポート」を行っています。