【毎晩の激しい泣き声に悩むパパ・ママへ】夜泣き・夜驚症の原因と、お子様の健やかな成長をサポートする漢方アプローチ

「毎晩のようにグズグズ泣き続け、抱っこしても泣き止まない」

「夜中に突然、火がついたように泣き叫び、暴れることがある」

「声をかけても反応がなく、翌朝聞くと本人は全く覚えていない」

お子様の睡眠トラブルは、見守るご家族にとっても非常に辛く、養育者の方が心身ともに疲弊してしまう深刻なケースも少なくありません。
「夜泣き」は、原因なく毎晩のように睡眠中に泣く現象で、生後8〜10ヶ月頃にピークを迎え、1歳半から2歳頃までには落ち着くと言われています。

一方、「夜驚症(やきょうしょう)」は、睡眠中に突然恐怖や興奮した表情で悲鳴を上げて覚醒してしまう睡眠障害の一つです。
深いノンレム睡眠からの覚醒障害とされ、発生率は3〜13歳の「錯乱性覚醒」で約17%にのぼります。
異常行動中は外部からの反応に乏しく、本人はその出来事を覚えていないのが特徴です。
「いつかは治るから」と言われても、毎晩続く寝不足はご家族の限界を超えてしまうことがあります。
漢方では、お子様特有の「神経の昂ぶり」や「発達段階の胃腸の弱さ」に着目し、身体への負担が少ない自然なアプローチで、親子ともに穏やかな夜を過ごすための体質づくりをサポートします。


目次

西洋医学の視点

夜泣きや夜驚症で小児科を受診した場合、西洋医学では「脳の睡眠リズムが未発達なため」とされ、基本的には経過観察となることが一般的です。
睡眠環境の改善(室温、光、日中の活動量など)が指導のメインとなります。
(※大人の頭痛や生理痛に対してロキソニンなどの解熱鎮痛剤が処方されるように、「これを飲めばすぐに夜泣きが止まる」といった即効性のあるお薬は、小児の睡眠トラブルにおいて基本的には存在しません。重度の睡眠障害が続く一部のケースでのみ、睡眠ホルモンであるメラトニンの受容体に働きかけるお薬や、抗ヒスタミン薬が検討される程度です。)

毎晩の夜泣きでお母さん・お父さんが極度の寝不足に陥り、頭痛がひどくてご自身がロキソニン等の鎮痛剤を手放せなくなっている……そんな悲痛なご相談も少なくありません。
ご家族が倒れてしまう前に、別の角度からのアプローチを取り入れることが大切です。


西洋医学と東洋医学(漢方)のアプローチの違い

西洋医学において「治療の対象になりにくい(成長を待つしかない)」とされる夜泣きや夜驚症ですが、東洋医学(漢方)では積極的に体質改善のアプローチを行います。
東洋医学では、乳幼児から小学生頃までのお子様は「五臓六腑が未発達であり、バランスを崩しやすい状態」と考えます。
日中の些細なストレスや興奮、恐怖体験によって「肝(自律神経)」が過剰に昂ってしまったり「脾(胃腸)」が弱いために脳へのエネルギーが不足して睡眠リズムが乱れたりすることが原因と捉えます。
お子様にも飲みやすい漢方を用いて、張り詰めた神経を優しく鎮め、成長に必要なエネルギーを補うことで、症状が起こりにくいベースを作っていくのが漢方の強みです。


漢方が考える原因

Reiyodoでは、夜泣き・夜驚症の主な原因を東洋医学の観点から以下の2つに大別し、お子様の体質や発育状況に合わせてオーダーメイドで漢方をお組みしています。

原因のタイプ具体的な状態・特徴東洋医学(漢方)のアプローチ方向
神経の興奮
(肝の昂ぶり)
突然火がついたように泣く
日中の興奮(楽しかった事や怖い思い)が夜の睡眠に影響しやすい。
五臓六腑の「肝」が昂り、自律神経が乱れている状態です。
自律神経を整える漢方で、昂った神経を優しく鎮めリラックスさせます。
お腹の弱さ・虚弱体質
(脾の虚弱)
グズグズと泣く、食が細い、体重が増えにくい、排便のリズムが乱れがち(下痢や便秘)。発達段階の「脾(胃腸)」が弱く、エネルギー不足により肝の昂りを制御できていません。
気を補いお身体を丈夫にする漢方でお腹を育てます。

【先生コラム①】夜泣きは育て方のせいではありません。お子様の『神経のヒートアップ』を優しく鎮める漢方

担当薬剤師:倉本智里(製薬会社・調剤薬局での勤務経験あり)

「毎晩の夜泣きで、私も子どもと一緒に泣いてしまいたくなります」
そんなお母様からのSOSを数多くお受けしてきました。
お子様の夜泣きや夜驚症は、決してご両親の育て方や愛情不足が原因ではありません。

東洋医学では、お子様はもともとエネルギーの塊であり、ちょっとした刺激で「肝(神経)」がヒートアップしやすい状態にあると考えます。
漢方は、その過剰な熱を優しく冷まし、自律神経のシーソーを平らに戻してあげるのがとても得意です。
親御さんがぐっすり眠れる日を取り戻すためにも、どうか一人で抱え込まずにご相談くださいね。

【先生コラム②】睡眠トラブルの鍵は『お腹』にあり?お子様も無理なく続けられる漢方の工夫

担当薬剤師:櫻井絵梨子(病院・調剤薬局での勤務経験あり)

夜驚症のご相談では、「怖い夢でも見たのか、突然パニックのように叫んで暴れるので心配」というお声が多いです。
実はお子様の睡眠トラブルは、「脾(胃腸)」の発達と深く関わっています。
胃腸が弱いと、食べたものから十分なエネルギー(気)を作れず、睡眠リズムを安定させる力が不足してしまうのです。

漢方は苦いイメージがあるかもしれませんが、お子様向けのものは比較的甘みがあったり、マイルドな味のものが多くあります。
飲ませ方の工夫も一緒にアドバイスさせていただきます。
「飲めたね!」という成功体験を重ねながら、お身体を内側から丈夫にしていきましょう。


夜泣き・夜驚症の症例経過

①1歳 男の子(激しい夜泣き・神経の興奮)

生後10ヶ月頃から夜泣きがひどくなり、1歳を過ぎても毎晩2〜3回は大泣きして起きる状態でした。
お母様も寝不足で体調を崩されていました。
日中の刺激に敏感になっている「肝の昂ぶり」と考え、「自律神経を整える漢方」をご提案。

服用から3週間ほどで、泣いても背中をトントンするだけで再入眠できるようになり、2ヶ月後には朝までぐっすり眠れる日が劇的に増えました。

② 5歳 女の子(夜驚症・虚弱体質)

入眠して数時間後に、突然「怖い!」と叫びながら起き上がり、10分ほどパニック状態になる日が週に数回ありました。
食が細く、風邪を引きやすい体質でした。
胃腸が未発達なためエネルギーが不足している「脾の虚弱」と考え、「気を補いお身体を丈夫にする漢方」をお組みしました。

少しずつご飯を食べる量が増えてくるとともに、パニックになって起きる回数が減少し、半年後には夜驚症のエピソードはほぼなくなりました。


夜泣き・夜驚症のお悩みに関するQ&A

漢方薬を子供は飲めますか?味が心配です。

「子供が嫌がらないか心配…」という声をよくお聞きします。
夜泣きや夜驚症に用いる漢方は、お子様でも比較的飲みやすい味のものが多く用いられます。
どうしても飲みにくい場合は、少量の蜂蜜(※1歳以上のお子様に限ります)や服薬ゼリーを混ぜたりして飲ませるのもおすすめです。
上手に飲めた時は「よく飲めたね」とたくさん褒めてあげてください。

現在、病院(小児科)でお薬をもらっていますが、漢方は服用できますか?

風邪薬アレルギーのお薬など、基本的には病院の西洋薬と漢方薬の併用は可能です。
Reiyodoには西洋薬の知識も豊富な薬剤師が在籍しておりますので、安全な飲み合わせについてしっかり確認いたします。お気軽にご相談ください。

病院では「成長とともに治るから様子を見て」と言われましたが、漢方で良くなりますか?

病院で「異常なし」「経過観察」と言われた場合でも、漢方は西洋医学とはアプローチが異なり、お子様の「神経の昂ぶり」や「胃腸の弱さ」といった体質面からサポートしていくことが可能です。
病院では治療法がないと言われた」とご相談に来られ、漢方で良い変化を感じていただけるケースは多くあります。

漢方はどのくらい飲み続けないと効果が出ないですか?

お子様は大人に比べて新陳代謝が活発なため、比較的早く変化が現れる傾向がありますが、体質のベースを整えるには細胞が生まれ変わる「約3ヶ月」を一つの目安として様子を見ていただければと思います。
根気強くお腹を丈夫にし、神経を整えていくことで、健やかな成長の土台が出来上がります。

副作用が心配です。漢方には副作用はありますか?

漢方薬は自然の生薬から作られており、作用がマイルドなため、比較的副作用のご心配は少なく服用していただけます。
Reiyodoでは定期的にお子様のご体調や排便の様子などをお伺いしながらサポートいたしますので、服用期間中にご不安なことがあればLINEでいつでもお気軽にお聞かせください。


併せて読みたい関連疾患・お悩み

夜泣きや夜驚症は、お子様の心身の発達や自律神経と密接に関わっています。

また、看病によるご家族の不調も大切なケアの対象です。

以下の記事も併せてご覧ください。

【お子様の疾患と漢方】
【夜尿症】(睡眠リズムや自律神経の発達と関連)
【自律神経失調症】(ストレス、プレッシャーによる心身の過緊張)
【不眠症】(付き添いや看病で寝不足にお悩みの保護者の方へ)
【疲労倦怠感】(育児疲れ、日々の活力が湧かない方へ)


漢方薬剤師 倉本 智里(くらもと ちさと)

製薬会社、化粧品会社、調剤薬局勤務などを経験。

その他、体の内側から体調を整える食養生や腸活の知識を習得。

関心のある疾患:皮膚疾患、婦人科疾患

【趣味】
菌活、腸活、カフェ巡り


漢方薬剤師 櫻井 絵梨子(さくらい えりこ)

病院・調剤薬局の勤務を経て漢方の道へ

関心のある疾患:婦人科疾患・不妊症

【趣味】
旅行・美味しいお店巡り