【ブレインフォグの原因と対策】脳の疲労や自律神経を整える漢方のアプローチ

「頭にモヤがかかったようにぼんやりする」

「仕事に集中できず、物事を思い出すのが難しくなった」

「PCやスマートフォンの見過ぎで、常に頭が疲れている気がする」

このように、頭の中に霧(フォグ)がかかったように思考がクリアにならない状態を「ブレインフォグ」と呼びます。
正式な診断名ではありませんが、近年、新型コロナウイルス感染症の後遺症の一つとして広く認知されるようになりました。

また、感染症だけでなく、慢性疲労症候群、睡眠障害、精神疾患(うつ病や不安障害、ADHDなど)、長時間のPC・スマートフォン・ゲームによる脳の疲労、日常的な強いストレスなども、ブレインフォグの引き金になると考えられています。


目次

西洋医学の視点

ブレインフォグは疾患名ではなく「状態」を指す言葉であるため、西洋医学(心療内科や脳神経内科など)では、まずはその背景に隠れている疾患(うつ病、睡眠障害、慢性疲労など)がないかを確認し、それぞれの症状に合わせた対症療法が基本となります。
例えば、不眠が原因で脳が休息できていない場合は睡眠導入剤が、気分の落ち込みや強い不安感が伴う場合には抗うつ薬(SSRIなど)や抗不安薬が処方されることがあります。

また、ブレインフォグに伴って、頭を締め付けられるような頭痛や首・肩の凝りを併発するケースも多く見受けられます。
その場合は、痛みを速やかに抑えるためにロキソニンなどの解熱鎮痛剤が処方されたり、ご自身で市販の鎮痛剤を服用して一時的にしのいでいる方も少なくありません。
西洋医学の治療は「いま起きている辛い症状(不眠、不安、痛みなど)をコントロールし、日常生活を送りやすくする」という点において、非常に大きな役割を果たしています。


西洋医学と東洋医学(漢方)のアプローチの違い

西洋医学と東洋医学(漢方)では、ブレインフォグに対するアプローチの視点が異なります。
西洋医学(睡眠薬鎮痛剤など)は、特定の症状を素早く和らげることを得意としています。
しかし、「なぜ脳にモヤがかかってしまうのか」「なぜ自律神経のバランスが崩れているのか」という根本的な原因(日々の脳の酷使、抜けきらない疲労、ストレスの蓄積など)が残ったままだと、お薬に頼り続けてしまうことになりかねません。

一方で東洋医学(漢方)は、「なぜ頭がぼんやりして、情報がうまく処理できないのか」というお身体全体のバランスの崩れに目を向けます。
Reiyodoでは、ブレインフォグの背景には「PCやスマホの使いすぎによる脳への過剰な負荷」や「ストレスによる自律神経の乱れ」が深く関わっていると考えています。
漢方のアプローチは、情報過多で疲労した脳を休ませて活性化を促したり、乱れた自律神経を穏やかに鎮めることで、「頭がすっきりと働きやすい心身の土台づくり」を目的としています。
心療内科やクリニックでの治療と並行して漢方薬を取り入れ、ご自身の身体のベースを整えていくことは、不調を繰り返しにくい体質を目指す上で非常に有効な選択肢です。


漢方が考える原因

Reiyodoでは、頭のモヤモヤ(ブレインフォグ)の主な原因を東洋医学の観点から以下の3つのタイプに大別し、お客様の体質や症状に合わせてオーダーメイドで漢方をお組みしています。

原因のタイプ具体的な状態・特徴東洋医学(漢方)のアプローチ方向
脳の負荷(疲労)PCやスマホの使いすぎ
考えがまとまらない、集中できない、物忘れが多い、頭にモヤがかかる。
情報過多で疲労困憊した状態をサポートする脳を活性化させる漢方を使用し、思考をクリアにするためのお身体の働きを整えます。
自律神経の乱れ
(気滞)
イライラ、焦燥感、気分の落ち込み、憂鬱な気分、感情のコントロールが難しい。
ストレス過多
ストレスや環境変化で過剰に昂った神経を自律神経を整える漢方薬で解きほぐし、心身の過緊張や焦りを和らげます。
気の詰まり
(気鬱・気逆)
不安感、モヤモヤ感、動悸、胸が苦しい、喉の詰まり感、息苦しさ。
気(エネルギー)が頭や胸に滞っている状態
ストレスの蓄積により滞ってしまったエネルギーを、気(ストレス)の発散を促す漢方で巡らせ、重苦しい身体症状を緩和します。

【先生コラム①】スマホの見過ぎは要注意。脳の休息時間を作れていますか?

担当薬剤師:倉本智里(製薬会社・調剤薬局での勤務経験あり)

ブレインフォグのご相談でお話を伺うと、一日中パソコンで作業をし、通勤中や寝る直前までスマートフォンを見ているという方が非常に多いです。
脳に絶え間なく情報が入り続けると、処理能力が追いつかず「脳の疲労状態」を引き起こします
これが頭のモヤモヤの原因の一つです。

漢方で脳への血流やエネルギーをサポートすることは大切ですが、同時に「意識的にデジタルデバイスから離れる時間(デジタルデトックス)」を作ることも重要です。
西洋のお薬で辛い症状をコントロールしながら、漢方で土台を整え、生活習慣を見直す。
この組み合わせで、すっきりとした毎日を取り戻していきましょう。

【先生コラム②】自律神経の乱れが、頭のモヤモヤを引き起こす

担当薬剤師:櫻井絵梨子(病院・調剤薬局での勤務経験あり)

最近ずっと強いストレスを感じていて、そこから頭が回らなくなった」というお悩みも多くいただきます。
過度なストレスは自律神経のバランスを崩し、心身の緊張状態を長引かせます
その結果、脳がリラックスできず、集中力の低下や物忘れといったブレインフォグの症状が現れやすくなるのです。

東洋医学では、このような状態を「気が滞っている」と捉えます。
漢方で張り詰めた神経を解きほぐし、滞ったストレスを発散させてあげることで、症状が和らいでいくだけでなく、ストレスに負けにくい体質づくりに繋がります。
お一人で悩まず、ぜひ一度ご相談くださいね。


ブレインフォグの症例経過

① 20代 女性

IT系のお仕事で1日中PCを使用し、休日もスマホを手放せない生活が続いていました。
次第に頭にモヤがかかり、仕事のミスが増えて落ち込むことが多くなり、ご相談いただきました。
長時間の眼精疲労と情報過多による「脳の負荷」が大きいと判断し、「脳を活性化させる漢方」をご提案しました。

合わせて生活習慣のアドバイスも実践いただいたところ、服用2ヶ月目頃から頭の重だるさが和らぎはじめ、3ヶ月目には仕事中の集中力が保てるようになってきたと喜ばれていました。

② 40代 男性

職場での責任が重くなり、慢性的なストレスと睡眠不足が続いていました。
「常に頭がぼんやりして、物事をすぐに思い出せない」と不安を感じていらっしゃいました。
ストレスによる「自律神経の乱れ」が影響していると見受けられたため、「自律神経を整える漢方」を中心にお組みしました。

服用開始から1ヶ月半ほどで夜の睡眠の質が良くなってきたと実感され、徐々に日中の頭のモヤモヤ感も落ち着いていきました。

③ 30歳 女性

数ヶ月前にウイルス感染症に罹患した後から、体力の低下とともにブレインフォグの症状が続いており、何をするにもやる気が起きない状態でした。
病後のエネルギー不足と気の巡りの悪さが原因と考え、「身体のベースを補う漢方」と「気を発散する漢方」を組み合わせてお飲みいただきました。

服用2ヶ月目で少しずつ動ける日が増え、3ヶ月目には頭の霞が晴れていくような感覚があり、趣味を楽しめるまでに回復に向かわれました。


ブレインフォグのお悩みに関するQ&A

病院で処方されている抗うつ薬や睡眠薬、痛み止めのロキソニン等と漢方薬は一緒に飲めますか?

はい、基本的には心療内科やクリニックで処方されているお薬や、一般的な鎮痛剤と漢方薬は併用していただいて問題ありません。
西洋薬で辛い症状をコントロールしながら、漢方薬で自律神経や脳の疲労といった「体質」を整えていくことは、不調の根本的なケアとして大変おすすめです。
ご不安な場合は、現在服用中のお薬をご相談時にお知らせください。

病院に行かずに、漢方薬だけでブレインフォグは良くなりますか?

頭のモヤモヤや集中力の低下は、うつ病や睡眠時無呼吸症候群、甲状腺の疾患など、他の病気が隠れているサインの可能性があります。
自己判断で漢方のみで対処しようとせず、辛い症状が続く場合はまず医療機関を受診して検査を受けることをお勧めいたします
検査で特定の疾患が見当たらない場合や、病院の治療と並行して根本的な体質改善を行いたい場合に、漢方薬がお役に立ちます。

ブレインフォグにはどのような漢方を使いますか?

お客様の症状や体質に合わせて、「脳を活性化させる漢方」「自律神経を整える漢方」「気(ストレス)の発散を促す漢方」などを主にご用意しております。
現在のお客様の症状やストレス状態、生活環境などを詳しくお伺いした上で、その方に最適な漢方をオーダーメイドでお組みいたします。


併せて読みたい関連疾患・お悩み

ブレインフォグは、自律神経の乱れやホルモンバランスの乱れと密接に関わっています。

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【更年期の諸症状】
【自律神経失調症】
【パニック・不安感】


漢方薬剤師 倉本 智里(くらもと ちさと)

製薬会社、化粧品会社、調剤薬局勤務などを経験。

その他、体の内側から体調を整える食養生や腸活の知識を習得。

関心のある疾患:皮膚疾患、婦人科疾患

【趣味】
菌活、腸活、カフェ巡り


漢方薬剤師 櫻井 絵梨子(さくらい えりこ)

病院・調剤薬局の勤務を経て漢方の道へ

関心のある疾患:婦人科疾患・不妊症

【趣味】
旅行・美味しいお店巡り