【原因不明の肌荒れ・不調】リーキーガット症候群の原因と対策!西洋医学と漢方のアプローチの違い

「原因のわからない肌荒れやアレルギー症状が続いている」

「しっかり休んでも、全身のだるさや疲労感が抜けない」

「パンやパスタなどの小麦製品(グルテン)や甘いものがやめられない」

「頭痛や生理痛で、ロキソニンなどの鎮痛剤を長期間手放せない」

このような長引く不調の背景には、もしかすると「リーキーガット(腸漏れ)」が関係しているかもしれません。
リーキーガットとは、偏った食事やストレスなどにより、腸壁の細胞同士の結びつきが緩み、まるで腸の粘膜に目に見えない小さな穴が開いたような状態になることを指します。

健康な腸は、身体に必要な栄養素だけを血液中に送り届ける「バリア機能」を持っています。
しかし、リーキーガットの状態になると、本来ならブロックされるはずの未消化の食べ物、細菌、毒素などが血液中へ漏れ出してしまいます。

血液中に異物が入り込むと、身体はそれを排除しようとして過剰な免疫反応を起こします。
腸の小さな穴自体には自覚症状がありませんが、これが全身を巡ることで、原因不明の肌荒れ、アレルギー症状、慢性的な倦怠感などを引き起こすと考えられています。

さらに、この状態が長期化すると、糖尿病や高脂血症、認知症といった慢性疾患の引き金になる可能性も指摘されています。


目次

西洋医学の視点

西洋医学において「リーキーガット症候群」は、近年注目を集めている概念ですが、単一の病名として確立された特効薬があるわけではありません。
そのため、病院では対症療法や生活習慣の改善指導が中心となります。具体的には、腸内環境を整えるための整腸剤(プロバイオティクス)の処方や、アレルギー症状に対する抗ヒスタミン薬の処方、グルテンフリーなどの食事指導が行われます。

また、西洋医学の視点で非常に重要なのが「お薬の副作用による腸へのダメージ」です。
頭痛や関節痛、生理痛などで日常的によく使われる「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs:ロキソニンなど)」やステロイド剤は、炎症や痛みを抑える優れた効果がある一方で、長期間使用すると胃や腸の粘膜を荒らし、バリア機能を低下させてしまうことが分かっています。
痛みを抑えるために常用しているお薬が、皮肉にもリーキーガットの原因を作り出し、別の不調を招いているケースも少なくありません。


西洋医学と東洋医学(漢方)のアプローチの違い

西洋医学は、今起きている痛みやアレルギーの炎症を薬で素早く抑えたり、整腸剤で外から乳酸菌を補ったりする「対症療法」を得意としています。
一方で東洋医学(漢方)は、「なぜ腸のバリア機能が低下してしまったのか」「なぜ体内に炎症が起きやすいのか」というお身体全体のバランスの乱れにアプローチします。
東洋医学では、胃腸は栄養を吸収しエネルギー(気・血)を生み出す「脾胃(ひい)」という重要な役割を担っていると考えます。

また、血液中に漏れ出た毒素による炎症は、「熱」や「毒」が体内に滞っている状態と捉えます。
漢方薬は、弱った胃腸(脾胃)の働きを助けて腸内環境を内側から立て直し、ストレスで乱れた自律神経を整えることで、腸への負担を和らげます。
さらに、体内に滞った老廃物や炎症物質を解毒し、血液をキレイにするサポートを行います。
一時的な症状の緩和だけでなく、「腸壁のバリア機能が低下しにくい、健やかなお身体の土台づくり」を目指すのが漢方の大きな特徴です。


漢方が考える原因

Reiyodoでは、東洋医学の観点からリーキーガットの原因を大きく以下のタイプに分け、お客様一人ひとりの体質や症状に合わせてオーダーメイドで漢方をお組みしています。

原因のタイプ具体的な状態・特徴東洋医学(漢方)のアプローチ方向
食生活の変化による
腸内環境の乱れ
欧米食(小麦製品・油ものなど)の摂りすぎで胃腸が弱り、腸壁のバリア機能が低下。
栄養素以外の異物が血液に入り込みやすい状態。
「腸内細菌のバランスを整える漢方」を使用します。胃腸の働きを助け、腸壁のバリア機能が容易に低下しない健やかな環境づくりをサポートします。
自律神経の乱れ
(ストレスなど)
ストレスの影響で自律神経が乱れ、暴飲暴食をしてしまったり、甘いものや偏ったものしか食べられなくなっている状態。「自律神経を整える漢方」を使用します。心身の緊張を解きほぐし、ストレスの影響を受けにくくすることで、胃腸への負担を減らします。
炎症・アレルギー体質
(毒素の滞り)
腸から血液中に漏れ出た物質を身体が異物と捉え、過剰な免疫反応によって肌荒れやアレルギー、慢性的な炎症を起こしている状態。「解毒機能を高めて血をキレイにする漢方」を使用します。体内に溜まった老廃物の排出を促し、血液をキレイに保つことで、過剰な炎症反応を和らげます。

【先生コラム①】「頭痛薬が腸に穴を開ける?ロキソニン等の鎮痛剤とリーキーガットの関係」

担当薬剤師:薬局長 武田隆芳(病院・調剤薬局での勤務経験あり)

頭痛や生理痛が辛いとき、ロキソニンなどの鎮痛剤はとても頼りになりますよね。
しかし、これらのお薬(NSAIDs)を毎日のように慢性的に使用していると、腸の粘膜を保護する成分まで抑え込んでしまい、腸壁が荒れてリーキーガットを引き起こしやすくなります。

「痛いから薬を飲む」→「腸が荒れて毒素が漏れる」→「全身に炎症が起きてさらに頭痛やだるさが増す」という悪循環に陥っている方は少なくありません。

漢方では、痛みの根本原因(血流の滞りや冷えなど)を見直し、鎮痛剤に頼りすぎないお身体づくりをサポートしながら、痛んだ腸の回復を目指していきます。

【先生コラム②】「お肌の不調は腸からのSOS!アレルギーと解毒のチカラ」

担当薬剤師:櫻井絵梨子(病院・調剤薬局での勤務経験あり)

「高いスキンケアを使っても肌荒れが治らない」「大人になってからアレルギー体質になった」というお悩みのご相談をよく受けます。

東洋医学では「腸と皮膚は繋がっている」と考えます。
リーキーガットによって腸から漏れ出た未消化物や毒素は、血液に乗って全身を巡り、やがて皮膚からトラブルとしてサインを出します。
つまり、肌表面だけをケアしても根本解決にはなりません。

漢方薬で「解毒機能を高めて血をキレイにする」アプローチを行うと、体内の老廃物がスムーズに排出されるようになり、「気付いたら肌の調子も良くなっていた!」と喜ばれる方がたくさんいらっしゃいますよ。


リーキーガットの症例経過

① 30代 女性(原因不明の肌荒れ・慢性的な疲労感)

数年前から顔や首回りの肌荒れ(赤み・痒み)が続き、皮膚科の薬を塗っても繰り返すとお悩みでした。

パンやパスタが大好きで、慢性的な便秘と疲労感も抱えていらっしゃいました。
食生活の乱れによる腸内環境の悪化と考え、「腸内細菌のバランスを整える漢方薬」と「解毒機能を高めて血をキレイにする漢方薬」をお出しし、少しずつ小麦製品を控えるアドバイスをいたしました。

服用開始から1ヶ月半で便通が整い始め、3ヶ月目には肌の赤みが引き、痒みで起きる事もなくなりました。
半年後には日中のだるさも消え、肌も本来の健やかさを取り戻されました。

② 40代 男性(ストレスによる下痢・暴飲暴食)

仕事のプレッシャーから帰宅後に暴飲暴食(お酒と油もの)をしてしまい、常に下痢気味でお腹の張りがとれないとのご相談でした。

ストレスによる自律神経の乱れが胃腸に負担をかけていると判断し、「自律神経を整える漢方薬」と「腸内細菌のバランスを整える漢方薬」を組み合わせてお出ししました。

服用して1ヶ月で精神的なイライラが落ち着き、ドカ食いが減少。
2ヶ月目には下痢の回数が減り、4ヶ月目にはバナナ状の良い便が出るようになり、お腹の不快感もすっきり解消されました。

③ 20代 女性(鎮痛剤の常用による胃腸不良とアレルギー症状)

長年、重い生理痛と頭痛のためにロキソニンを常用しており、最近になって胃腸の不快感や急な鼻炎、湿疹などのアレルギー症状が出始めたとご不安な様子でした。

お薬による胃腸のダメージ(リーキーガット状態)を疑い、「胃腸の働きを助けバリア機能をサポートする漢方薬」をベースに、痛みの原因である血流を整える漢方をお組みしました。

数ヶ月かけて鎮痛剤を飲む日数が徐々に減り、それに伴い胃腸の調子が回復。
半年経過する頃には、悩まされていた湿疹や鼻炎の症状も気にならないレベルまで落ち着かれました。


リーキーガットのお悩みに関するQ&A

病院の整腸剤や、市販の鎮痛剤(ロキソニンなど)と一緒に漢方薬を飲んでも大丈夫ですか?

基本的には併用していただいて問題ありません。病院のお薬で辛い症状をコントロールしながら、漢方薬でお身体のベース(腸内環境や自律神経)を整えていくのは良い方法です。

ただし、鎮痛剤の漫然とした長期使用は腸への負担となりますので、漢方で体質改善を進めながら、少しずつお薬に頼らない生活を目指していきましょう。
飲み合わせの確認をいたしますので、現在服用中のお薬がある場合は事前にお知らせください。

リーキーガットのために、漢方薬でどのようなアプローチをしますか?

お客様の症状や体質(ストレスの有無、食生活の傾向、アレルギーの出方など)を詳しくお伺いし、「腸内細菌のバランスを整える漢方」「自律神経を整える漢方」「解毒機能を高めて血をキレイにする漢方」などをオーダーメイドで組み合わせます。
単一の症状を抑えるだけでなく、全身のバランスを整えるご提案をいたします。

食事制限(グルテンフリーなど)は必ずしなければなりませんか?

小麦製品や油もの、アルコールを控えることは腸の回復を助けますが、極端な食事制限はかえってストレスとなり、自律神経を乱す原因にもなりかねません。

Reiyodoでは、漢方薬で身体の回復力を底上げしながら、お客様のライフスタイルに合わせた「無理なく続けられる食生活の工夫」も一緒にアドバイスさせていただきます。


併せて読みたい関連疾患・お悩み

以下の記事も併せてご覧ください。

【アトピー性皮膚炎】
【過敏性腸症候群】
【慢性疲労症候群】
【自律神経失調症】
【花粉症】
【鼻炎】


漢方薬剤師 薬局長 武田 隆芳(たけだ たかよし)

実績:病院勤務4年・調剤薬局勤務8年の臨床経験 合計12年間

西洋医学の最前線で多くの患者さんと向き合う中で、薬で症状を抑えるだけではない「根本的な治癒」への渇望が芽生える。

・「身近な人の悩みにもっと深く関わり、本当に治る手助けがしたい。」
・「薬だけでなく、身体の内側から体質を変えていく感動を伝えたい。」

という強い想いから漢方の道へ。 現在は呼吸器や皮膚トラブル、精神疾患などを得意とし、漢方薬のご提案はもちろん、食事や生活習慣のアドバイスまで含めた「二人三脚のサポート」を行っています。


漢方薬剤師 櫻井 絵梨子(さくらい えりこ)

病院・調剤薬局の勤務を経て漢方の道へ

関心のある疾患:婦人科疾患・不妊症

【趣味】
旅行・美味しいお店巡り