【尿の勢いが弱く、夜中に2〜3回起きる】前立腺肥大——体質から整える漢方の考え方

「夜中に何度もトイレで目が覚めて、ぐっすり眠れない」
「尿の勢いが弱くなって、出るまでに時間がかかる」
「トイレに行ったばかりなのに、まだ残っている感じがする」――。
前立腺肥大のご相談で、私たちが実際によく伺う言葉です。

病院のお薬で楽になった方も多い一方で、「夜のトイレだけが減らない」「副作用が多くて、これ以上お薬を増やしたくない」という声も少なくありません。
この記事では、ご相談で見ている4つのタイプ、50代男性と80代男性の実際の経過、そして「病院のお薬と一緒に飲めますか」「漢方で前立腺は小さくなりますか」というご質問への答えを、オンライン漢方相談薬局の嶺耀堂(Reiyodo)が解説します。


目次

【この記事の結論:前立腺肥大に対する漢方の考え方】

  • 症状の正体: 前立腺肥大は、加齢とともに前立腺が大きくなって尿道を圧迫し、尿の勢いが弱い・出るまでに時間がかかる・残尿感・夜間頻尿などが起きる状態です。ただし、同じ「夜中に2〜3回」でも、体を温めて尿をためる力の衰え・潤い不足でこもった熱・下腹部にたまった余分な水と熱・骨盤まわりの血流の滞りなど、体質の側の理由は人によって違います。
  • タイプは大きく4つ: 冷えて尿が近いタイプ/ほてりやすく尿が出にくいタイプ/尿が濃く不快感があるタイプ/下腹部が張って勢いが弱いタイプ。
    タイプによって、お選びする漢方の方向性が変わります。
  • 漢方の役どころ: 前立腺の大きさそのものを変えることが目的ではありません。排尿のお悩みの背景にある冷え・潤い不足・こもった熱・血流の滞りという土台を、その方の体質に合わせて整えていきます。前立腺の大きさや状態は、泌尿器科での定期的な検査で確認してください。
  • 大事な注意: 夜間頻尿に加えて足のむくみ・息切れ・強い喉の渇きがある/症状が急に悪化した・尿もれが出てきた/発熱・排尿時の強い痛み・腰や背中の痛みがある/尿がまったく出ない、または少ししか出ず下腹部が張って痛い——こうした場合は、まず泌尿器科を受診してください。とくに「尿が出ない」は急ぎのサインです。

こんな方からのご相談が多いです

嶺耀堂の前立腺肥大のご相談で多いのは、たとえばこんな方です。

  • 50代男性: 会議中や通勤電車でトイレが気になって、仕事に集中できなくなった
  • 60代男性: 夜中に2〜3回起きるようになり、睡眠不足で日中もだるい
  • 70代男性: 病院のお薬の副作用が多く、これ以上お薬を増やしたくないが、夜のトイレは何とかしたい

年代や困りごとはさまざまですが、共通しているのは、「年だから仕方ない」と我慢しながらも、睡眠や仕事の集中力まで削られていることです。
排尿のお悩みは、体からの大切なサインでもあります。


西洋医学の視点

前立腺肥大症は、問診や直腸診、超音波検査、尿の勢いを測る検査、残尿量の測定などで診断されます。前立腺がんとの区別のために、血液検査(PSA検査)も大切です。
治療は、尿道を広げて尿を出しやすくするお薬(α1遮断薬)、前立腺を小さくするお薬(5α還元酵素阻害薬)などが中心で、お薬で効果が不十分な場合や、尿がまったく出なくなった場合(尿閉)には手術も検討されます。
お薬で勢いや回数が楽になる方が多い一方、「夜間頻尿だけが残る」「立ちくらみなどの副作用が気になる」「お薬が増えていくのが不安」という声も伺います。

嶺耀堂は「病院のお薬の代わりに漢方を」とは考えていません。
PSA検査や定期的な検査を受けながら、「お薬を飲んでいても残る夜のトイレ」「副作用でお薬を増やしにくい部分」を、体質の側から漢方で整えていく——その組み合わせのご相談が多くなっています。


漢方の視点:同じ「前立腺肥大」でも、タイプは4つに分かれます

嶺耀堂では、前立腺肥大のご相談を、東洋医学の観点から大きく4つのタイプに分けて見立てています。
ご自身に当てはまりそうなところを探しながら読んでみてください。

タイプ当てはまるサイン漢方の方向性
冷えて尿が近い・夜間尿が多いタイプ加齢で体を温める力が衰え、尿をためたり押し出したりする力が弱っている。夜中に2〜3回起きる・足腰が冷える体を温めて、腎の働きを補う
ほてりやすく、尿が少なくて出にくいタイプ加齢や疲労、睡眠不足で体を潤す力が不足し、乾いて熱がこもっている。のぼせ・口の渇き・尿の量が少ない体に潤いを補い、こもった熱を冷ます
尿が濃く、出すときに不快感があるタイプ脂っこい食事やお酒、ストレスで下腹部に余分な水分と熱がたまり、尿の通り道が詰まっている。残尿感・鈍痛余分な熱と水分を尿として出し、尿の通りを良くする
下腹部が張って、尿の勢いが弱いタイプ長く座っている生活や冷え、加齢で骨盤まわりの血流が滞り、前立腺が硬くむくんでいる血流を整える

実際には、タイプが重なっている方がほとんどです(冷えと血流の滞りが重なる、など)。
排尿の様子・体の冷えやほてり・食生活や座っている時間・ストレスの状況を伺ったうえで、組み合わせを設計していきます。


症例経過:50代男性と80代男性のご相談から

実際に嶺耀堂へご相談いただいた方の経過をご紹介します。
※お一人おひとりの実例であり、感じ方や期間には個人差があります。

50代男性:病院では「炎症なし・異常なし」でも、頻尿と鈍痛が続いた

5〜6年前から頻尿や排尿時の違和感があり、前立腺肥大と診断されて病院のお薬を服用。1年前から頻尿の悪化と鈍痛があるものの、病院では炎症がなく異常なしと診断され、症状が続いているため嶺耀堂にご相談いただきました。
「熱を鎮め、頻尿や排尿時の鈍痛を緩和する漢方」と、気の巡りを整えて体質改善を促す補助の漢方、腎の働きを助ける補助の漢方の3種類をお組みしました。
服用1ヶ月後、泌尿器の症状は変わりないものの、血流が良くなっている気がするとのこと。
服用2ヶ月後、頻尿や鈍痛に変化を感じているとのこと。
服用3ヶ月後、症状はかなり軽くなっているとのこと。
調子よくお過ごしいただけているため、量を減らして現在も服用を続けていらっしゃいます。

80代男性:血尿をきっかけに前立腺肥大症と診断。処方薬の副作用が多く、漢方で何とかしたい

日頃から夜間頻尿や排尿に時間がかかるなどの症状があり、1ヶ月ほど前に血尿が出て病院を受診し、前立腺肥大症と診断を受けたとのこと。処方薬の副作用が多く、漢方で何とかしたいと嶺耀堂にご相談いただきました。
「前立腺肥大による尿の出にくさや頻尿を緩和する漢方」と、その働きを高めて気を補う補助の漢方、血流を整えて症状を緩和する補助の漢方の3種類をお組みしました。
服用1ヶ月後、前立腺肥大による症状が全くなくなったとのこと。便秘気味だったのが服用後から軟便気味になったため、量を減らして様子を見ることに。
服用3ヶ月後、症状は安定し、前立腺肥大によると思われる症状はなく、意識しない状態が続いているとのこと。食養生・生活養生を取り入れながら様子を見ることに。
服用8ヶ月後、その後も量を減らしながら体調は安定。気になる症状も全くなくなったとのことで、服用を終了されました。

そのほかの実際のご相談の経過(症例まとめ)を見る


ご相談では、こんなことを伺います

嶺耀堂のご相談はLINEを中心に行います。
前立腺肥大のご相談で実際にお伺いしているのは、こんな内容です。

  • 排尿の様子(夜間の回数・尿の勢い・出るまでの時間・残尿感・我慢できる時間)
  • 病院の診断と検査(PSA・超音波・残尿量)、使っているお薬と気になる副作用
  • 体の傾向(足腰の冷え・のぼせ・口の渇き・足腰のだるさ・むくみ)
  • 生活(座っている時間・お酒や脂っこいもの・水分の取り方・夕方以降の飲み物)
  • 睡眠の状態、疲れやすさ、ストレスや仕事の状況

「トイレとは関係ない」と思っている冷えやのぼせ、むくみも、ぜひ一緒にお聞かせください。
体の傾向が、タイプを見分ける手がかりになることが多いのです。


先に知っておいてほしい、2つのこと

①こんな症状があるときは、まず泌尿器科へ

夜間頻尿に加えて、足のむくみや息切れ、強い喉の渇きがある/症状が急に悪化した、尿もれが出てきた/発熱、排尿時の強い痛み、腰や背中の痛みがある/尿がまったく出ない、または少ししか出ず下腹部が張って痛い——
こうした場合は、心臓や腎臓の病気、感染症、尿が出なくなる急性尿閉などが隠れていることもあるため、まず泌尿器科を受診してください。
とくに「尿が出ない・下腹部が張って痛い」は急ぎのサインです。血尿があるときも、必ず病院で原因を確かめてください。病気がないことを確かめてからのご相談のほうが、見立ても正確になります。

②病院のお薬を、自己判断でやめないでください

前立腺肥大のお薬をすでに服用されている方は、副作用が気になる場合でも、自己判断でやめたり減らしたりせず、必ず処方医にご相談ください。
お薬を減らす・変えるかどうかの判断は、処方医が行うものです。漢方はお薬の代わりではなく、並走するものです。
漢方を服用していることも、主治医の先生にお知らせください。飲み合わせの確認も行いますので、ご相談時にお薬手帳などでお知らせいただけると安心です。


【先生コラム①】「年だから仕方ない」と、夜中のトイレを我慢していませんか

担当薬剤師:櫻井先生(病院・調剤薬局での勤務経験あり)

「年だから仕方ない」と、夜中のトイレを我慢していませんか。
排尿のお悩みは、体からの大切なサインでもあります。

一人で抱え込まず、体質から一緒に見直していきましょう。

【先生コラム②】夕方以降の過ごし方で、夜のトイレは変わることがあります

担当薬剤師:武田先生(病院・調剤薬局での勤務経験あり)

夜のトイレの回数には、夕食後の水分・カフェイン・お酒のほか、足の冷えやむくみも関わります。日中に足にたまった水分が、横になると血液に戻って尿になるためです。

漢方で体を温めて腎の働きを補うのとあわせて、夕方以降の飲み物を見直し、足を冷やさない・就寝前に足を温めるといった工夫を取り入れると、夜の回数が落ち着きやすくなる方が多いです。
何から手をつけるかは、ご相談のなかで一緒に整理していきます。


よくあるご質問

現在病院でお薬をもらっていますが、漢方は服用できますか?

お薬の内容にもよりますが、基本的には漢方薬と病院のお薬は併用可能です。
嶺耀堂(Reiyodo)には西洋薬にも詳しい薬剤師が在籍していますので、飲み合わせについても安心してご相談いただけます。
処方されているお薬を自己判断でやめたり減らしたりせず、必ず処方医にご相談ください。

漢方薬で前立腺は小さくなりますか?

漢方薬は、前立腺の大きさそのものを変えることを目的としたものではありません。
排尿のお悩みの背景にある冷えや血流の滞りなど、体質を整えていくことを目指すものです。
前立腺の大きさや状態については、泌尿器科での定期的な検査で確認していただくことをおすすめしています。

お薬を飲んでいても、夜間頻尿だけが減りません。漢方で変わりますか?

個人差はありますが、夜のトイレは「体を温めて尿をためる力の衰え」「足のむくみ」「眠りの浅さ」など、前立腺以外の理由が重なっていることが多いものです。
嶺耀堂では、夜間の回数・冷えやむくみ・眠りの状態を伺い、タイプに合わせて漢方をお組みし、夕方以降の過ごし方とあわせて整えていきます。まずは3ヶ月を目安に、変化を一緒に確かめていきます。
ご相談はLINEを中心に行い、相談料は無料です。

夜間頻尿と一緒に、咳やくしゃみでの尿もれも気になる方は、こちらの記事もどうぞ。

女性の方や、膀胱炎のあとから急な尿意が続いている方は、過活動膀胱の記事もどうぞ。

「年のせい」で片づけてきた夜のトイレを、体質から見直しませんか

尿の勢いが弱い。夜中に2〜3回起きる。日中もだるくて集中できない——一つひとつは小さくても、毎晩続くと体も気持ちも削られていきます。
泌尿器科で病気の有無を確かめ、お薬を続けたうえで、冷え・潤い不足・こもった熱・血流の滞りという土台から整えていく方法があります。
「お薬をこれ以上増やしたくない」という方こそ、まずは今の様子をお聞かせください。

嶺耀堂(Reiyodo)はオンライン専門の漢方相談薬局です。
全国どこからでも、LINEだけでご相談いただけます。
相談料は無料で、お薬のご購入時のみ料金がかかります。

関係性の深い病気;ご相談も多数いただいております。

お届けする漢方について

当店では、医薬品である生薬を粉状にした ❝散剤❞ と呼ばれる、漢方薬を提供しています。市販のエキス剤よりも効果が期待できる、煎剤よりも飲みやすく安価なことから、現代のライフスタイルにより適していると考えたためです。さらに漢方の魅力をひきだすため、その方の体質・体調に合わせて専売薬局のみが取り扱える❝補剤❞を漢方薬と一緒に提供いたします。

オンラインだからできるサービス

服用中のお客様には、体調のお伺いをLINEを通しておこなっております。さらに体質や症状緩和の進み具合をみて、日々行える養生提案=ご自身で体調を整える方法 もアドバイスしております。 飲んだら終わりではなく、長く良い状態で過ごせることをスタッフ全員で目指しております。

専売薬局だけが取扱える、高品質な漢方薬を取り扱っています

取扱っているのは医薬品である漢方薬。 さらに伝統漢方研究会が製造する、専売薬局だけが取扱える漢方製剤になります。 一般的なドラッグストアなどでは入手することのできない、高品質なものを取り扱っています。 またお客様の体質を元に、漢方製材や生薬、自家製漢方薬をバランスよく組合わせることで、ご予算に合わせた提案をお出しすることができます。

漢方薬は近年、その効果が注目されていますが、世間の認知度はまだまだ低いのでは?と感じています。効き目が穏やか、副作用が無い、味はとても苦い、、実はそんなことはありません。症状によっては効果がすぐに感じるものや、副作用の強い生薬も存在します。カラダに合った漢方薬は、甘みを感じることもあると言われています。

私たちが一番伝えたい漢方薬選びのポイントは「ひとりひとりに合わせた薬を選ぶ」ということです。効果を最大限に引き出すためには、細かい症状の出方、その方の体質を考慮する必要があります。Reiyodoのオンライン漢方相談薬局では、AIによる体質チェックと漢方薬剤師のヒアリング、電話相談を組み合わせることで、みなさまの健康をサポートするお守りのような存在でありたいと、スタッフ一同研鑚しております。

漢方薬剤師 櫻井 絵梨子(さくらい えりこ)

病院・調剤薬局の勤務を経て漢方の道へ

関心のある疾患:婦人科疾患・不妊症

【趣味】
旅行・美味しいお店巡り

漢方薬剤師 薬局長 武田 隆芳(たけだ たかよし)

実績:病院勤務4年・調剤薬局勤務8年の臨床経験 合計12年間

西洋医学の最前線で多くの患者さんと向き合う中で、薬で症状を抑えるだけではない「根本的な治癒」への渇望が芽生える。

・「身近な人の悩みにもっと深く関わり、本当に治る手助けがしたい。」
・「薬だけでなく、身体の内側から体質を変えていく感動を伝えたい。」

という強い想いから漢方の道へ。 現在は呼吸器や皮膚トラブル、精神疾患などを得意とし、漢方薬のご提案はもちろん、食事や生活習慣のアドバイスまで含めた「二人三脚のサポート」を行っています。

嶺耀堂ブログ 一覧