【夜は眠れるのに、朝だけ起きられない】学校・会社に行けない起立性調節障害——体質から整える漢方の考え方

「朝、起き上がれなくて学校や会社に行けない」
「怠けているだけだと思われるのがつらい」
「立ち上がった瞬間、目の前が真っ暗になる」――。
起立性調節障害(きりつせいちょうせつしょうがい)のご相談で、私たちが実際によく伺う言葉です。

夜はちゃんと眠れるのに、朝だけどうしても起きられない——周りからは見えにくく、けれどご本人にはとてもつらい症状です。
この記事では、ご相談で見ている3つのタイプ、10代のお二人の実際の経過、そして「どのくらいで変化が出るのか」「親だけでも相談できるのか」というご質問への答えを、オンライン漢方相談薬局の嶺耀堂(Reiyodo)が解説します。


目次

【この記事の結論:起立性調節障害に対する漢方の考え方】

  • 症状の正体: 自律神経の働きが乱れ、起き上がる・立ち上がるときの血圧や血流の調整がうまくいかなくなる状態です。夜は眠れるのに朝だけ起きられないのは、意思の弱さではなく、体のスイッチの切り替えがゆっくりなためです。
  • タイプは大きく3つ: 自律神経の乱れタイプ/エネルギー不足タイプ/ホルモンバランスの乱れタイプ。
    タイプによって、お選びする漢方の方向性が変わります。
  • 漢方の役どころ: 朝だけを無理に変えようとするのではなく、自律神経を整えて、「朝のスイッチ」が自然に入りやすい体を土台から作っていきます。
  • 大事な注意: めまいや頭痛には、別の病気が隠れていることもあります。まだ受診されていない方は、まず病院で検査を。
    処方薬を服用中の方は、自己判断でやめたり減らしたりせず、必ず処方医にご相談ください。

こんな方からのご相談が多いです

嶺耀堂の起立性調節障害のご相談で多いのは、たとえばこんな方です。

  • 10代の女の子: 親御さんが起こしても起きられず、遅刻や欠席が増えてきた
  • 10代の男の子: 立ちくらみやめまいがひどく、部活の朝練に参加できなくなった
  • 30代女性: 学生の時から朝が苦手なまま社会人になり、通勤電車の中で腹痛が起きることもある

中高生に多い症状ですが、学生の頃の「朝のつらさ」が大人になっても続いている方のご相談もあります。
共通しているのは、夜は普通に過ごせるのに、朝だけ体が動かないという時間帯の偏りです。
夜ふかしやサボりのせいと誤解されやすいのですが、本人の気合いではどうにもならない、体の調整の問題です。


西洋医学の視点

起立性調節障害は、思春期のお子さんに多い自律神経の調整の乱れです。
起き上がったときに血圧や脈をうまく調整できず、立ちくらみ・めまい・頭痛・だるさ・動悸などが、午前中を中心に出やすくなります。
病院(小児科・内科)では、起き上がったときの血圧や脈の変化を見る検査などで診断し、生活リズムの指導・水分や塩分のとり方・血圧を支えるお薬などが検討されます。
貧血や甲状腺の病気など、似た症状の別の原因を確かめる意味でも、まず受診が大切です。

嶺耀堂は「病院の治療をやめて漢方に」とは考えていません。
あとでご紹介する10代の男の子も、病院の治療と並行しながら漢方を始めています。
病院の治療を続けながら、「朝が苦手な体質」を漢方で整えていく、というご相談が多くなっています。


漢方の視点:同じ「朝起きられない」でも、タイプは3つに分かれます

嶺耀堂では、起立性調節障害のご相談を、東洋医学の観点から大きく3つのタイプに分けて見立てています。
ご自身やお子さんに当てはまりそうなところを探しながら読んでみてください。

タイプ当てはまるサイン漢方の方向性
自律神経の乱れタイプ人間関係のトラブルや環境の変化がきっかけで、朝起きられなくなった自律神経を整え、朝のスイッチを入りやすくする
エネルギー不足タイプ疲れやすく体力が続かない。立ちくらみ・めまいが強く出やすい気と血を補い、朝起きられる体の土台を作る
ホルモンバランスの乱れタイプ思春期・成長期で、体の変化と症状の波が重なっているホルモンバランスを整え、症状の波を小さくする

※「気(き)」はエネルギー、「血(けつ)」は栄養を運ぶ血のめぐりのことを指す、東洋医学の言葉です。
実際には、タイプが重なっている方も多くいらっしゃいます。
朝の様子・食欲・体力・年齢などを伺ったうえで、組み合わせを設計していきます。


症例経過:10代のお二人のご相談から

実際に嶺耀堂へご相談いただいた方の経過をご紹介します。
※お一人おひとりの実例であり、感じ方や期間には個人差があります。

10代の女の子:ご家族からの代理相談。1年半続いた「起きられない朝」

人間関係のトラブルがきっかけで、1年半前から朝起きられない・頭痛・めまい・息苦しさなどの症状が続き、ご家族から嶺耀堂にご相談いただきました。
「自律神経を整え、起立性調節障害の不快な症状を緩和する漢方」と、気の発散を促してメインの漢方の働きを高める補助の漢方の2種類をお組みしました。
服用1ヶ月後、ご本人にも「だいぶ調子が良くなっている」という自覚があり、早い時間に登校できる日が増えてきたとのこと。頭痛や胸の痛みを訴えることも減ってきました。
服用2ヶ月後、体調はかなり良いとのこと。
服用3ヶ月後、だいぶ体調が良くなり、日常生活が充実してきたとのこと。
良い状態を保てるように、現在も服用を継続されています。

10代の男の子:病院のお薬でも、悪くなっていく一方だった

急に起床時に体が動かなくなり、めまいと頭痛で起きていられない。病院を受診してお薬も飲んでいるけれど、どんどん悪くなってきた——とのことで、嶺耀堂にご相談いただきました。
「気を補い、気の発散をうながして、起立性調節障害の症状を緩和する漢方」を中心に、自律神経を整える補助の漢方、血を補って細胞レベルでエネルギーを与える補助の漢方の3種類をお組みしました。
服用1週間後、ご本人は「元気になった気がする。スポーツの朝の練習にも行けて、少し光が見えた気がして嬉しい」と話してくれました。
ただ、良くなり方には波がありました。服用1ヶ月後は日によってめまいがあり、遅刻しながらの登校。2ヶ月後には思春期ならではの悩みも重なって昼夜逆転になり、睡眠の質を上げる養生をあわせて取り入れていただきました。
服用3ヶ月後、起床時のめまいや頭痛はほとんどなく、元気いっぱいで学校に通っているとのこと。
体調が良好のため漢方を減らし、現在も服用を継続されています。

そのほかの実際のご相談の経過(症例まとめ)を見る


ご相談では、こんなことを伺います

嶺耀堂のご相談はLINEを中心に行います。
起立性調節障害のご相談で実際にお伺いしているのは、こんな内容です。

  • 朝の様子(何時ごろなら起きられるか・午前と午後の調子の差)
  • 立ちくらみ・めまい・頭痛・腹痛などの症状と、続いている期間
  • 食欲・眠り(寝つき・昼夜逆転の有無)・疲れやすさ
  • 学校やお仕事の状況(遅刻・欠席がどのくらい続いているか)
  • 病院の受診状況・検査の結果と、今飲んでいるお薬

お子さんの場合は、親御さんからの代理相談で大丈夫です(ご紹介した女の子も、ご家族からのご相談でした)。
見えている範囲の様子で十分ですので、ご自身のペースで文章にしてお聞かせください。


先に知っておいてほしい、2つのこと

①まだ受診していない方は、まず病院で検査を

朝起きられない・めまい・頭痛の陰に、貧血や甲状腺の病気、睡眠の病気など、別の原因が隠れていることがあります。
まだ受診されていない方は、まず病院(小児科・内科)で検査を受けて、大きな異常がないかを確認してください。
「起立性調節障害」と診断がついてからのご相談は、見立てもより正確になります。

②処方薬を、自己判断でやめないでください

病院のお薬をすでに服用されている方は、自己判断でやめたり減らしたりせず、必ず処方医にご相談ください。
また、漢方を服用していることも、主治医の先生にお知らせください。
飲み合わせの確認も行いますので、ご相談時にお薬手帳などでお知らせいただけると安心です。


【先生コラム①】「自然に目が覚める朝」は、少しずつ作れます

担当薬剤師:宮本先生(調剤薬局・漢方薬局での勤務経験あり)

夜は眠れるのに、朝だけ起きられない。
それは意思が弱いのではなく、体のスイッチの切り替えがゆっくりだからです。

漢方で、「自然に目が覚める朝」は少しずつ作れます。
焦らず、まず今月、ひとつでも起きやすい朝が増えること——そこを一緒に目指しましょう。

【先生コラム②】昼夜逆転は「叱るところ」ではなく「整えるところ」

担当薬剤師:武田先生(病院・調剤薬局での勤務経験あり)

症状がつらい時期は、生活リズムが乱れて昼夜逆転になりやすいものです。
ご紹介した男の子も、2ヶ月目に昼夜逆転の時期がありました。
そこで叱ってしまうと、ご本人の緊張が増えて、かえって朝が遠くなることもあります。

昼夜逆転は「叱るところ」ではなく、睡眠の質を上げる養生で「整えるところ」です。
漢方とあわせて、眠りの質を上げる工夫もご案内しています。波があっても、土台は少しずつ変わっていきます。


よくあるご質問

漢方薬を飲むと、どのくらいで良い変化が現れますか?

症状の経過には個人差があるため、「何ヶ月で症状が落ち着きます」と一概にはお伝えできません。症状を確認しながら、変化を一緒に見ていくことを大切にしています。
一般的に、人の体の細胞が生まれ変わるには3〜4ヶ月かかると言われています。まずは3ヶ月しっかり服用いただき、様子を見ていただければと思います。

本人が相談を嫌がります。親だけでも相談できますか?

はい、できます。嶺耀堂(Reiyodo)では、ご家族からの代理相談を多数お受けしています。
お子さんの年齢・性別・朝の様子・食欲や眠りなどをお聞かせいただければ、ご本人がその場にいなくても見立てを進められます。
ただ、実際に服用するのはお子さんです。ご家族からよくお話しいただいたうえで、お子さん自身が納得して始められるのが一番です。

病院のお薬と併用できますか?

はい、基本的に併用可能です。病院の治療を受けながら漢方を始めている方もたくさんいらっしゃいます。
処方されているお薬を、自己判断でやめたり減らしたりしないでください。
お使いのお薬をLINEでお知らせいただければ、飲み合わせも含めて薬剤師が確認します。

社会人になっても朝のつらさが続き、だるさ・不眠・イライラなど自律神経の乱れによる不調が重なっている方は、こちらの記事もどうぞ。

「また今朝も起きられなかった」を、少しずつ変えていきませんか

毎朝の「起きられない」は、ご本人の自信も、見守るご家族の心も、少しずつすり減らします。
怠けでも、気合い不足でもない、自律神経という体の調整の問題——そこから整えていく方法があります。
お子さんのことでも、社会人になってからの朝のつらさでも、まずは今の様子をお聞かせください。

嶺耀堂(Reiyodo)はオンライン専門の漢方相談薬局です。
全国どこからでも、LINEだけでご相談いただけます。
相談料は無料で、お薬のご購入時のみ料金がかかります。

関係性の深い病気;ご相談も多数いただいております。

お届けする漢方について

当店では、医薬品である生薬を粉状にした ❝散剤❞ と呼ばれる、漢方薬を提供しています。市販のエキス剤よりも効果が期待できる、煎剤よりも飲みやすく安価なことから、現代のライフスタイルにより適していると考えたためです。さらに漢方の魅力をひきだすため、その方の体質・体調に合わせて専売薬局のみが取り扱える❝補剤❞を漢方薬と一緒に提供いたします。

オンラインだからできるサービス

服用中のお客様には、体調のお伺いをLINEを通しておこなっております。さらに体質や症状緩和の進み具合をみて、日々行える養生提案=ご自身で体調を整える方法 もアドバイスしております。 飲んだら終わりではなく、長く良い状態で過ごせることをスタッフ全員で目指しております。

専売薬局だけが取扱える、高品質な漢方薬を取り扱っています

取扱っているのは医薬品である漢方薬。 さらに伝統漢方研究会が製造する、専売薬局だけが取扱える漢方製剤になります。 一般的なドラッグストアなどでは入手することのできない、高品質なものを取り扱っています。 またお客様の体質を元に、漢方製材や生薬、自家製漢方薬をバランスよく組合わせることで、ご予算に合わせた提案をお出しすることができます。

漢方薬は近年、その効果が注目されていますが、世間の認知度はまだまだ低いのでは?と感じています。効き目が穏やか、副作用が無い、味はとても苦い、、実はそんなことはありません。症状によっては効果がすぐに感じるものや、副作用の強い生薬も存在します。カラダに合った漢方薬は、甘みを感じることもあると言われています。

私たちが一番伝えたい漢方薬選びのポイントは「ひとりひとりに合わせた薬を選ぶ」ということです。効果を最大限に引き出すためには、細かい症状の出方、その方の体質を考慮する必要があります。Reiyodoのオンライン漢方相談薬局では、AIによる体質チェックと漢方薬剤師のヒアリング、電話相談を組み合わせることで、みなさまの健康をサポートするお守りのような存在でありたいと、スタッフ一同研鑚しております。

漢方薬剤師 宮本 貴美(みやもと たかみ)

調剤薬局、漢方薬局での勤務を経験

漢方以外にもアーユルヴェーダ・メディカルハーブ・アロマ・分子栄養学など幅広く学び、国際中医師も所持

関心のある疾患は、婦人科疾患、不妊症、皮膚疾患

【趣味】
美味しいお店巡り、ヨガ、旅行、読書

漢方薬剤師 薬局長 武田 隆芳(たけだ たかよし)

実績:病院勤務4年・調剤薬局勤務8年の臨床経験 合計12年間

西洋医学の最前線で多くの患者さんと向き合う中で、薬で症状を抑えるだけではない「根本的な治癒」への渇望が芽生える。

・「身近な人の悩みにもっと深く関わり、本当に治る手助けがしたい。」
・「薬だけでなく、身体の内側から体質を変えていく感動を伝えたい。」

という強い想いから漢方の道へ。 現在は呼吸器や皮膚トラブル、精神疾患などを得意とし、漢方薬のご提案はもちろん、食事や生活習慣のアドバイスまで含めた「二人三脚のサポート」を行っています。

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