「胃酸が上がって、胸が焼ける。喉まで焼ける感じがする」
「口の中が酸っぱい、苦い」
「油っこいものを食べると、決まって悪化する」――。
逆流性食道炎のご相談で、私たちが実際によく伺う言葉です。
病院で胃酸を抑えるお薬をもらって楽になったのに、やめるとぶり返す。お薬を飲んでいても、喉の焼ける感じや咳だけが残る——そんな方が少なくありません。
この記事では、ご相談で見ている4つのタイプ、30代男性と60代女性の実際の経過、そして「病院のお薬や痛み止めと一緒に飲めますか」というご質問への答えを、オンライン漢方相談薬局の嶺耀堂(Reiyodo)が解説します。
【この記事の結論:逆流性食道炎に対する漢方の考え方】
- 症状の正体: 逆流性食道炎は、胃酸が食道へ逆流して食道の粘膜が荒れ、胸焼け・喉の焼ける感じ・口の中の酸っぱさや苦さ・げっぷなどが起きる状態です。油っこい食事や食べ過ぎ・体重の増加・加齢・ストレスなど、「逆流しやすくなっている理由」は人によって違います。
- タイプは大きく4つ: 胃の働きが高ぶっているタイプ/肥満(内臓脂肪)のタイプ/加齢のタイプ/自律神経の乱れのタイプ。
タイプによって、お選びする漢方の方向性が変わります。 - 漢方の役どころ: 胃酸を抑えることだけを目指すのではなく、胃酸が出過ぎる・胃が押し上げられる・逆流を止める力が弱い、という逆流の「理由」の側を、その方の体質に合わせて整えていきます。
- 大事な注意: 黒い便や吐血がある/食欲の低下や体重減少を伴う/食事が十分にとれないほど症状が強い/痛み止めなどを服用している——こうした場合は、まず消化器内科で診てもらってください。「大きな病気がない」ことを確かめたうえでのご相談が安心です。
こんな方からのご相談が多いです
嶺耀堂の逆流性食道炎のご相談で多いのは、たとえばこんな方です。
- 30代男性: 食生活が乱れてから、胸焼けや喉の焼ける感じが続いている
- 50代男性: 体重が増えてから、油っこいものを食べると胃酸が上がるようになった
- 60代女性: 生活習慣の変化や年齢とともに、症状が年々つらくなってきた
- 40代女性: ストレスや過労が続く時期に、口の中が酸っぱい・苦い感じが出る
きっかけは食生活・体重・年齢・ストレスとさまざまですが、共通しているのは、油っこいもの・食べ過ぎ・ストレスで悪化し、お薬をやめるとぶり返しやすいことです。
「お薬で抑える」だけでは抜け出しにくいのは、逆流しやすくなっている理由がそのまま残っているからかもしれません。
西洋医学の視点
逆流性食道炎(胃食道逆流症・GERD)は、内視鏡(胃カメラ)で食道の粘膜のただれを確認して診断されます。粘膜にただれがないのに同じ症状がある「非びらん性胃食道逆流症」もあり、内視鏡で「異常なし」と言われても症状が続く方がいます。
治療の中心は、胃酸の分泌を抑えるお薬(PPIやP-CABと呼ばれるお薬、H2ブロッカーなど)で、食べ過ぎを避ける・食後すぐ横にならない・減量・禁煙といった生活習慣の改善を組み合わせます。
多くの方はお薬で楽になりますが、「やめるとぶり返す」「飲んでいても喉の違和感や咳が残る」という声も少なくありません。
嶺耀堂は「病院のお薬の代わりに漢方を」とは考えていません。
検査で食道や胃に大きな病気がないことを確かめたうえで、「お薬を飲んでいても残る症状」「お薬をやめるとぶり返す体質」の部分を、漢方で整えていく——その組み合わせのご相談が多くなっています。
漢方の視点:同じ「胸焼け」でも、タイプは4つに分かれます
嶺耀堂では、逆流性食道炎のご相談を、東洋医学の観点から大きく4つのタイプに分けて見立てています。
ご自身に当てはまりそうなところを探しながら読んでみてください。
| タイプ | 当てはまるサイン | 漢方の方向性 |
|---|---|---|
| 胃の働きが高ぶっているタイプ | 油っこい食事や食べ過ぎが続いている。消化が活発になりすぎて胃酸が多く出て、食後に胸焼け・げっぷが出やすい | 胃の働きを整え、胃酸の分泌を落ち着かせる |
| 肥満(内臓脂肪)のタイプ | 体重が増えてから症状が出た。内臓脂肪でお腹の圧が上がり、胃が押し上げられて逆流しやすい。横になると悪化する | 代謝を助ける |
| 加齢のタイプ | 年齢とともに、胃と食道のつなぎ目(下部食道括約筋)の締まりが弱くなり、胃酸が逆流しやすい。食が細くなった・もたれやすい | 胃腸の働きを整え、消化を助ける |
| 自律神経の乱れのタイプ | ストレスや過労の時期に悪化する。自律神経が乱れて胃酸が出過ぎる。口の中の酸っぱさ・苦さや、喉の違和感を伴いやすい | 自律神経の働きを整える |
実際には、タイプが重なっている方がほとんどです(体重の増加とストレスが重なる、など)。
症状の出方・食生活・体重の変化・ストレスの状況を伺ったうえで、組み合わせを設計していきます。
症例経過:30代男性と60代女性のご相談から
実際に嶺耀堂へご相談いただいた方の経過をご紹介します。
※お一人おひとりの実例であり、感じ方や期間には個人差があります。
30代男性:胸焼けと吐き気が続き、胃カメラで軽い逆流性食道炎と言われた
半年くらい前から胸焼けと吐き気があり、胃カメラで軽度の逆流性食道炎と診断されたとのこと。人混みでの吐き気もあるとのことで、嶺耀堂にご相談いただきました。
「胃腸の状態を整え、胃酸の逆流や不快な症状を緩和する漢方」と、胃腸の働きを整えて消化を助ける補助の漢方の2種類をお組みしました。
服用1ヶ月、体調の良い日が出てきたとのこと。
服用3ヶ月、胃のむかつきや不快感が、大分気にならなくなったとのこと。
服用4ヶ月、波はあるものの、体調は良いとのこと。
服用8ヶ月、胃痛や胃もたれはほぼ気にならなくなったとのことで、ご本人のご希望により服用を終了されました。
60代女性:胃酸の逆流と胸やけがつらいが、内視鏡では「異常なし」
若い頃から胃炎や胃潰瘍で通院していたことがあり、現在は胃酸の逆流・胸やけ・胃痛がつらいものの、内視鏡では異常が認められなかったとのこと。病院で治療をしてもつらい症状が続くため、嶺耀堂にご相談いただきました。
「胃腸の状態を整え、胃酸の逆流や不快な症状を緩和する漢方」と、胃腸の働きを整えて消化を助ける補助の漢方の2種類をお組みしました。
服用1ヶ月後、服用初期は今までにない胃腸の症状が出て不安定だったものの、胃酸の逆流はかなり減ってきているとのこと。
服用2ヶ月後、2ヶ月目に入ってから症状がほとんどなくなってきており、食欲も出てきているとのこと。
服用3ヶ月後、養生も実践し、症状はかなり軽くなっているとのこと。
食べ過ぎや症状が出やすい食材でぶり返すこともあるため、現在も服用を続けていらっしゃいます。
ご相談では、こんなことを伺います
嶺耀堂のご相談はLINEを中心に行います。
逆流性食道炎のご相談で実際にお伺いしているのは、こんな内容です。
- 症状(胸焼け・喉の焼ける感じ・口の中の酸っぱさや苦さ・げっぷ・咳・声のかすれ)と、出るタイミング(食後・空腹時・夜間や横になったとき・朝)
- 悪化のきっかけ(油っこいもの・食べ過ぎ・お酒・コーヒー・甘いもの・ストレス)
- 体重の変化・体型・姿勢(前かがみの作業が多いか、ベルトやコルセットで締め付けていないか)
- 病院の受診状況と検査で言われたこと(内視鏡の結果・ピロリ菌の有無)、使っているお薬(胃酸を抑えるお薬・痛み止め・市販の胃薬)
- 睡眠・ストレスや仕事の状況、疲れやすさ
「胃とは関係ない」と思っている喉の違和感や咳も、ぜひ一緒にお聞かせください。
症状の出るタイミングと悪化のきっかけが、タイプを見分ける手がかりになることが多いのです。
先に知っておいてほしい、2つのこと
①こんな症状があるときは、まず消化器内科へ
黒い便や吐血がある/食欲の低下や体重減少を伴う/食事が十分にとれないほど症状が強い/痛み止めなどを服用している——
こうした場合は、食道や胃の出血・潰瘍、ほかの病気が隠れていることもあるため、まず消化器内科を受診してください。
とくに黒い便や吐血は急ぎのサインです。「胸焼けだから」と自分で判断して検査を後回しにするのは、いちばん避けたいことです。病気がないことを確かめてからのご相談のほうが、見立ても正確になります。
②病院のお薬を、自己判断でやめないでください
胃酸を抑えるお薬など、病院のお薬をすでに服用されている方は、自己判断でやめたり減らしたりせず、必ず処方医にご相談ください。
痛み止めが症状の原因と考えられる場合も、中止するかどうかの判断は処方医と相談のうえで行ってください。
漢方を服用していることも、主治医の先生にお知らせください。飲み合わせの確認も行いますので、ご相談時にお薬手帳などでお知らせいただけると安心です。
【先生コラム①】胃酸の逆流は、胃だけの問題ではありません
担当薬剤師:宮本先生(調剤薬局・漢方薬局での勤務経験あり)
胃酸の逆流は胃の症状にとどまらず、喉の不快感や咳の症状につながることも珍しくありません。
「喉の違和感で耳鼻科に行ったが異常なし」「長引く咳の原因が分からない」という方の中に、胃酸の逆流が隠れていることがあります。病院のお薬を服用していても良くならない場合は、漢方によるアプローチも助けになる可能性があります。
お薬で抑えるのと並行して、逆流しやすい体質の側を整えていきましょう。
【先生コラム②】姿勢と締め付け——見落とされがちな「物理的な原因」
担当薬剤師:倉本先生(製薬会社・調剤薬局での勤務経験あり)
下を向く姿勢が続いたり、ベルトやコルセットなどで締め付けたりといった物理的な要因でも、胃酸の逆流は起こりやすくなります。
デスクワークやスマートフォンで前かがみの時間が長い方、仕事で締め付けの強い服装の方は、お腹が押されて胃の中身が上がりやすい状態です。漢方で体質を整えるのと一緒に、食後すぐ横にならない・前かがみの時間を区切る・締め付けをゆるめる、といった物理的な工夫も見直してみてください。
どこから手をつけるかは、ご相談のなかで一緒に整理していきます。
よくあるご質問
病院の薬や市販の胃薬と併用できますか?
一般的な胃酸の逆流を抑えるお薬とは、併用が可能です。病院の治療を受けながら漢方を始めている方も多くいらっしゃいます。
市販の胃薬は生薬の成分が含まれていることも多いので、重なりがないか、事前に薬剤師にご相談ください。
お使いのお薬をLINEでお知らせいただければ、飲み合わせも含めて薬剤師が確認します。
痛み止めを飲んでいて、逆流性食道炎のような症状があります。漢方は飲めますか?
痛み止め(NSAIDs)の代表的な副作用は、胃痛や胸やけなどの消化器症状です。
その場合、漢方を飲む前に、原因となっているお薬を中止する必要がありますので、必ず処方医に相談し、服用を中止して症状が和らぐかどうか様子を見てください。
痛み止めが必要な病気をお持ちの方は、自己判断でやめず、処方医と一緒に代わりの方法を考えていただくのが安心です。
お薬をやめるとぶり返します。漢方で体質から整えられますか?
個人差はありますが、「やめるとぶり返す」方は、胃酸が出過ぎる・胃が押し上げられる・逆流を止める力が弱い、といった逆流しやすい理由がそのまま残っていることが多いものです。
嶺耀堂では、その理由をタイプ別に見立てて漢方をお組みし、食べ方や姿勢の工夫とあわせて、ぶり返しにくい体質を目指していきます。まずは3ヶ月を目安に、変化を一緒に確かめていきます。
ご相談はLINEを中心に行い、相談料は無料です。
胸焼けと一緒に、食後に胃が重い・食べられる量が減ったという方は、こちらの記事もどうぞ。
「お薬をやめるとぶり返す」から、体質を整える一歩へ
胸が焼ける。喉が焼ける。口の中が酸っぱい——食事のたびに身構える毎日は、じわじわと食べる楽しみを削っていきます。
病院で病気の有無を確かめたうえで、胃酸が出過ぎる・胃が押し上げられる・逆流を止める力が弱い、という理由の側から整えていく方法があります。
「お薬で抑えるしかない」と思ってきた方こそ、まずは今の様子をお聞かせください。
嶺耀堂(Reiyodo)はオンライン専門の漢方相談薬局です。
全国どこからでも、LINEだけでご相談いただけます。
相談料は無料で、お薬のご購入時のみ料金がかかります。
関係性の深い病気;ご相談も多数いただいております。
お届けする漢方について
当店では、医薬品である生薬を粉状にした ❝散剤❞ と呼ばれる、漢方薬を提供しています。市販のエキス剤よりも効果が期待できる、煎剤よりも飲みやすく安価なことから、現代のライフスタイルにより適していると考えたためです。さらに漢方の魅力をひきだすため、その方の体質・体調に合わせて専売薬局のみが取り扱える❝補剤❞を漢方薬と一緒に提供いたします。
オンラインだからできるサービス
服用中のお客様には、体調のお伺いをLINEを通しておこなっております。さらに体質や症状緩和の進み具合をみて、日々行える養生提案=ご自身で体調を整える方法 もアドバイスしております。 飲んだら終わりではなく、長く良い状態で過ごせることをスタッフ全員で目指しております。
専売薬局だけが取扱える、高品質な漢方薬を取り扱っています
取扱っているのは医薬品である漢方薬。 さらに伝統漢方研究会が製造する、専売薬局だけが取扱える漢方製剤になります。 一般的なドラッグストアなどでは入手することのできない、高品質なものを取り扱っています。 またお客様の体質を元に、漢方製材や生薬、自家製漢方薬をバランスよく組合わせることで、ご予算に合わせた提案をお出しすることができます。
漢方薬は近年、その効果が注目されていますが、世間の認知度はまだまだ低いのでは?と感じています。効き目が穏やか、副作用が無い、味はとても苦い、、実はそんなことはありません。症状によっては効果がすぐに感じるものや、副作用の強い生薬も存在します。カラダに合った漢方薬は、甘みを感じることもあると言われています。
私たちが一番伝えたい漢方薬選びのポイントは「ひとりひとりに合わせた薬を選ぶ」ということです。効果を最大限に引き出すためには、細かい症状の出方、その方の体質を考慮する必要があります。Reiyodoのオンライン漢方相談薬局では、AIによる体質チェックと漢方薬剤師のヒアリング、電話相談を組み合わせることで、みなさまの健康をサポートするお守りのような存在でありたいと、スタッフ一同研鑚しております。
漢方薬剤師 宮本 貴美(みやもと たかみ)

調剤薬局、漢方薬局での勤務を経験
漢方以外にもアーユルヴェーダ・メディカルハーブ・アロマ・分子栄養学など幅広く学び、国際中医師も所持
関心のある疾患は、婦人科疾患、不妊症、皮膚疾患
【趣味】
美味しいお店巡り、ヨガ、旅行、読書
漢方薬剤師 倉本 智里(くらもと ちさと)

製薬会社、化粧品会社、調剤薬局勤務などを経験。
その他、体の内側から体調を整える食養生や腸活の知識を習得。
関心のある疾患:皮膚疾患、婦人科疾患
【趣味】
菌活、腸活、カフェ巡り

