「食後、お腹が張って苦しい」
「げっぷやおならが多い」
「体にいいと思って食物繊維や発酵食品を増やしたら、かえって張るようになった」――。
SIBO(小腸内細菌異常増殖症)のご相談で、私たちが実際によく伺う言葉です。
SIBOは、本来は細菌が少ないはずの小腸で細菌が増えすぎ、食べたものが小腸で発酵してガスが出やすくなっている状態です。
腸活のつもりで摂っている食物繊維・きのこ・発酵食品が、SIBOでは細菌のえさになって、張りを強めてしまうことがあります。
この記事では、ご相談で見ている3つのタイプ、40代男性と10代のお子さんの実際の経過、そして「どのくらいで和らぎますか」「病院のお薬と併用できますか」というご質問への答えを、オンライン漢方相談薬局の嶺耀堂(Reiyodo)が解説します。
【この記事の結論:SIBOに対する漢方の考え方】
- 症状の正体: SIBOは、小腸で細菌が増えすぎ、食べたものが発酵してガスが出やすくなっている状態です。食後の張り・膨満感、げっぷ・おなら、下痢や便秘、吐き気などが起き、「腸にいい」はずの食物繊維や発酵食品でかえって悪化するのが特徴のひとつです。
- タイプは大きく3つ: 胃腸の働きが弱く胃酸が出にくいタイプ/胃酸の逆流や炎症があるタイプ/ストレスで症状が悪化しやすいタイプ。
タイプによって、お選びする漢方の方向性が変わります。 - 漢方の役どころ: 菌を減らす何かを足すのではなく、細菌が増えやすくなっている「土台」(胃腸の動き・消化の力・自律神経)を整え、食生活の見直しと組み合わせて、張りにくいお腹を作っていきます。
- 大事な注意: 血便・体重減少・発熱・強い腹痛が続く・夜中に痛みで目が覚める——こうした場合は、炎症性腸疾患などほかの病気が隠れていることもあるため、まず消化器内科で検査を受けてください。「大きな病気がない」ことを確かめたうえでのご相談が安心です。
こんな方からのご相談が多いです
嶺耀堂のSIBOのご相談で多いのは、たとえばこんな方です。
- 20代女性: 昔から胃腸が弱く、以前に過敏性腸症候群と診断されたことがある。きのこや食物繊維の多いものを食べたとき、忙しいときに悪化しやすい
- 30代女性: 1年前から本格的に張り出し、立っているのがやっとなほど苦しい。食後はもちろん、日中食べていなくても常に張っている
- 40代男性: 8年ほど前から波があり、3ヶ月前から悪化。抗生物質やストレスが原因かもしれないと感じている。食後すぐ膨満感があり、夜や明け方に腹痛が強くなる
きっかけや経過はさまざまですが、共通しているのは、「お腹にいいこと」をしているのに張りが取れない、むしろ悪化してしまうことです。
整腸剤・食物繊維・発酵食品——腸活の定番で楽にならないのは、小腸で細菌が増えやすくなっている土台がそのままだからかもしれません。
西洋医学の視点
SIBO(小腸内細菌異常増殖症)は、特定の糖を飲んだあとに吐く息の水素やメタンを測る呼気検査などで評価されます。
病院では、まず過敏性腸症候群・炎症性腸疾患・セリアック病・胃や腸の病気など、原因のはっきりした病気の有無を血液検査や内視鏡検査で確かめ、SIBOと考えられる場合は抗生物質で細菌を減らす治療や、整腸剤、低FODMAP食の指導が行われます。
ただし、呼気検査や治療ができる医療機関は限られており、治療で楽になっても、しばらくするとぶり返す方が少なくありません。
嶺耀堂は「病院の検査を受けずに漢方に」とは考えていません。
検査で大きな病気がないことを確かめたうえで、「治療のあとにぶり返す」「整腸剤や腸活でかえって張る」という部分を、体質の側から漢方で整えていく——その組み合わせのご相談が多くなっています。
漢方の視点:同じ「お腹の張り」でも、タイプは3つに分かれます
嶺耀堂では、SIBOのご相談を、東洋医学の観点から大きく3つのタイプに分けて見立てています。
ご自身に当てはまりそうなところを探しながら読んでみてください。
| タイプ | 当てはまるサイン | 漢方の方向性 |
|---|---|---|
| 胃腸の働きが弱く、胃酸が出にくいタイプ | 消化吸収の力や腸を動かす力が弱く、食べたものが小腸に長くとどまる。食後の張り・軟便や下痢・疲れやすさを伴う | 胃の働きや消化を助ける |
| 胃酸の逆流や炎症があるタイプ | 胸焼け・げっぷ・みぞおちの不快感を伴う。胃の調子の悪さと、お腹の張りが同時に出る | 胃酸の分泌や炎症を和らげる |
| ストレスで症状が悪化しやすいタイプ | 自律神経が乱れて胃腸の働きが落ちる。忙しい時期・緊張する場面で、張りや痛みが強くなる | 自律神経を整える |
実際には、タイプが重なっている方がほとんどです(胃腸の弱さとストレスが重なる、など)。
張りの出るタイミング・便の状態・悪化する食べ物・ストレスの状況を伺ったうえで、組み合わせを設計していきます。
症例経過:40代男性と10代のお子さんのご相談から
実際に嶺耀堂へご相談いただいた方の経過をご紹介します。
※お一人おひとりの実例であり、感じ方や期間には個人差があります。
40代男性:職場が変わってから、ガスだまりと下腹部の痛みが続いた
数年前に職場が変わったことで、ガスだまりや下腹部の痛みが出はじめたとのこと。病院では診断を受けていないものの、自覚症状からSIBOを疑い、嶺耀堂にご相談いただきました。
「胃腸の働きを助け、症状を緩和する漢方」と、胃腸の状態を整えて消化を助ける補助の漢方の2種類をお組みしました。
服用1ヶ月、症状は少し落ち着いてきたものの、飲酒をすると悪化してしまうとのこと。
服用2ヶ月、ガスだまりが少なくなっているとのこと。お肉が多く野菜が少なめの食生活とのことで、食事の見直しのアドバイスも行いました。
服用3ヶ月、ガスだまりや腹痛は少なくなり、下痢はほとんどなくなっているとのこと。前の年に比べて調子が良く、体調を崩しても回復が早くなったとのことで、ご本人のご希望により、いったん服用を終了されました。
10代のお子さん(女児):病院でSIBOと診断。整腸剤で軽くなったが、ストレスで揺れる
お腹の張り(ガス)と吐き気があり、病院でSIBOと診断されたとのこと。整腸剤で症状は軽快したものの、ストレスとの連動も見られるため、嶺耀堂にご相談いただきました。
「胃腸を整えて、SIBOによる吐き気やガスの症状を緩和する漢方」と、胃腸の状態を整えて消化を助ける補助の漢方の2種類をお組みしました。
服用1ヶ月後、便のにおいが気にならなくなってきたものの、吐き気とガスは症状が出る日のほうが多いとのこと。
服用3ヶ月後、吐き気やガスが減ってきたとのことで、ご本人の希望もあり、量を減らして様子を見ることに。
服用5ヶ月後、つらい吐き気が出る日が前の月の半分くらいに減ったとのこと。
さらに量を減らし、体質改善を進めるため、現在も服用を続けていらっしゃいます。
ご相談では、こんなことを伺います
嶺耀堂のご相談はLINEを中心に行います。
SIBOのご相談で実際にお伺いしているのは、こんな内容です。
- 張り・ガスの出方とタイミング(食後すぐ・空腹時・夕方・食べていなくても張るか)、げっぷ・おなら・吐き気の有無
- 便の状態(下痢・便秘・におい・回数)
- 悪化する食べ物(きのこ・食物繊維の多いもの・発酵食品・乳製品・お酒・甘いもの)と、腸活でやっていること(整腸剤・サプリメント・食物繊維)
- 病院の受診状況と検査で言われたこと(過敏性腸症候群・SIBOの診断・呼気検査の有無)、抗生物質や整腸剤の使用歴
- ストレスや仕事・学校の状況、生活リズム、睡眠
「体にいいと思ってやっていること」も、ぜひ正直にお聞かせください。
何を食べると張るか、何をやめると楽かが、タイプを見分ける手がかりになることが多いのです。
先に知っておいてほしい、2つのこと
①こんな症状があるときは、まず消化器内科へ
血便・体重減少・発熱・強い腹痛が続く・夜中に痛みで目が覚める——
こうした場合は、炎症性腸疾患や大腸の病気などが隠れていることもあるため、まず消化器内科で検査を受けてください。
「SIBOかもしれない」と自分で判断して検査を後回しにするのは、いちばん避けたいことです。病気がないことを確かめてからのご相談のほうが、見立ても正確になります。
②病院のお薬を、自己判断でやめないでください
整腸剤や抗生物質、胃酸を抑えるお薬など、病院のお薬をすでに服用されている方は、自己判断でやめたり減らしたりせず、必ず処方医にご相談ください。
漢方を服用していることも、主治医の先生にお知らせください。
飲み合わせの確認も行いますので、ご相談時にお薬手帳などでお知らせいただけると安心です。
【先生コラム①】「お腹が張って苦しい」「食事が楽しめない」方へ
担当薬剤師:櫻井先生(病院・調剤薬局での勤務経験あり)
お腹が張って苦しい、おならやげっぷが多い、食事が楽しめない——そんなことで悩まれていませんか。
SIBOは、漢方で体質改善を行い、胃腸の状態を整えるだけでなく、普段の食生活の見直しも非常に大切になります。当店では漢方のご提案だけでなく、食養生のアドバイスにも力を入れています。根本からのお悩みの軽減に向けて、ぜひお手伝いさせてください。
【先生コラム②】「腸活」が裏目に出るとき——食物繊維・発酵食品との付き合い方
担当薬剤師:武田先生(病院・調剤薬局での勤務経験あり)
腸活の定番といえば、食物繊維・発酵食品・きのこ・海藻。けれどSIBOでは、これらが小腸で増えた細菌のえさになり、かえって張りやガスを強めてしまうことがあります。
「体にいいはずなのに苦しい」と感じたら、それは体からのサインかもしれません。「いいはず」と増やし続けるより、いったん量を控えて、張らない食べ方を一緒に探していきましょう。
腸の中で発酵しやすい糖質の総称「FODMAP(フォドマップ)」を目安に、どの食品を控え、何を食べるかを、ご相談のなかで整理していきます。
よくあるご質問
漢方薬を飲むと、どのくらいで症状が和らいできますか?
症状の経過には個人差があるため、「何ヶ月で症状が落ち着く」と一概にはお伝えできません。
一般的に、人の体の細胞が生まれ変わるのに3〜4ヶ月かかると言われていますので、まずは3ヶ月しっかりと服用いただき、様子を見ていただければと思います。
途中の変化はLINEでお知らせください。量や組み合わせを調整しながら進めていきます。
病院のお薬や市販の胃薬と併用できますか?
一般的な胃酸を抑えるお薬や、胃腸の運動や働きを助けるお薬、SIBOで用いられる抗生物質などは、基本的に併用いただいて問題ありません。
生薬を用いた胃薬の場合は、成分が重複することもありますので、ご相談の際に、服用中のお薬の情報を事前にお知らせください。
処方されているお薬を自己判断でやめたり減らしたりせず、必ず処方医にご相談ください。
腸活で食物繊維やヨーグルトを増やしたら、かえって張るようになりました。やめたほうがいいですか?
SIBOでは、発酵しやすい食品が小腸で増えた細菌のえさになり、張りやガスを強めることがあります。「腸にいい」と言われるものでも、今の体に合っていなければ、いったん量を控えて様子を見るのがおすすめです。
どの食品が張りやすいかは人によって違うため、食べたものと張りの関係を伺いながら、控えるもの・食べていいものを一緒に整理していきます。
嶺耀堂(Reiyodo)のご相談はLINEを中心に行い、相談料は無料です。
お腹の張りに加えて、肌荒れやだるさなど原因のはっきりしない不調が続いている方は、腸のバリア機能(リーキーガット)の記事もどうぞ。

お腹の張りだけでなく、潰瘍性大腸炎と診断されていて、急な腹痛や便意で外出が不安という方は、こちらの記事もどうぞ。
「お腹にいいこと」が裏目に出ているなら、土台から見直しませんか
食後にパンパンに張る。おならやげっぷが気になって人前がつらい。体にいいはずのものを食べても苦しい——頑張っているのに楽にならない毎日は、じわじわと食事の楽しみを削っていきます。
病院で病気の有無を確かめたうえで、胃腸の動き・消化の力・自律神経という土台から整え、食べ方を見直していく方法があります。
「腸活はやり尽くした」と感じている方こそ、まずは今の様子をお聞かせください。
嶺耀堂(Reiyodo)はオンライン専門の漢方相談薬局です。
全国どこからでも、LINEだけでご相談いただけます。
相談料は無料で、お薬のご購入時のみ料金がかかります。
関係性の深い病気;ご相談も多数いただいております。
お届けする漢方について
当店では、医薬品である生薬を粉状にした ❝散剤❞ と呼ばれる、漢方薬を提供しています。市販のエキス剤よりも効果が期待できる、煎剤よりも飲みやすく安価なことから、現代のライフスタイルにより適していると考えたためです。さらに漢方の魅力をひきだすため、その方の体質・体調に合わせて専売薬局のみが取り扱える❝補剤❞を漢方薬と一緒に提供いたします。
オンラインだからできるサービス
服用中のお客様には、体調のお伺いをLINEを通しておこなっております。さらに体質や症状緩和の進み具合をみて、日々行える養生提案=ご自身で体調を整える方法 もアドバイスしております。 飲んだら終わりではなく、長く良い状態で過ごせることをスタッフ全員で目指しております。
専売薬局だけが取扱える、高品質な漢方薬を取り扱っています
取扱っているのは医薬品である漢方薬。 さらに伝統漢方研究会が製造する、専売薬局だけが取扱える漢方製剤になります。 一般的なドラッグストアなどでは入手することのできない、高品質なものを取り扱っています。 またお客様の体質を元に、漢方製材や生薬、自家製漢方薬をバランスよく組合わせることで、ご予算に合わせた提案をお出しすることができます。
漢方薬は近年、その効果が注目されていますが、世間の認知度はまだまだ低いのでは?と感じています。効き目が穏やか、副作用が無い、味はとても苦い、、実はそんなことはありません。症状によっては効果がすぐに感じるものや、副作用の強い生薬も存在します。カラダに合った漢方薬は、甘みを感じることもあると言われています。
私たちが一番伝えたい漢方薬選びのポイントは「ひとりひとりに合わせた薬を選ぶ」ということです。効果を最大限に引き出すためには、細かい症状の出方、その方の体質を考慮する必要があります。Reiyodoのオンライン漢方相談薬局では、AIによる体質チェックと漢方薬剤師のヒアリング、電話相談を組み合わせることで、みなさまの健康をサポートするお守りのような存在でありたいと、スタッフ一同研鑚しております。
漢方薬剤師 櫻井 絵梨子(さくらい えりこ)

病院・調剤薬局の勤務を経て漢方の道へ
関心のある疾患:婦人科疾患・不妊症
【趣味】
旅行・美味しいお店巡り
漢方薬剤師 薬局長 武田 隆芳(たけだ たかよし)

実績:病院勤務4年・調剤薬局勤務8年の臨床経験 合計12年間
西洋医学の最前線で多くの患者さんと向き合う中で、薬で症状を抑えるだけではない「根本的な治癒」への渇望が芽生える。
・「身近な人の悩みにもっと深く関わり、本当に治る手助けがしたい。」
・「薬だけでなく、身体の内側から体質を変えていく感動を伝えたい。」
という強い想いから漢方の道へ。 現在は呼吸器や皮膚トラブル、精神疾患などを得意とし、漢方薬のご提案はもちろん、食事や生活習慣のアドバイスまで含めた「二人三脚のサポート」を行っています。

