「何日も便が出ず、お腹が張って苦しい」
「コロコロ便が多く、残便感がある」
「便秘と下痢を繰り返す」――。
慢性便秘のご相談で、私たちが実際によく伺う言葉です。
下剤や整腸剤、サプリメントをいろいろ試してきた方ほど、「出すことはできても、出る体にはならない」と感じていらっしゃいます。
この記事では、ご相談で見ている4つのタイプ、50代女性・20代女性・30代男性の実際の経過、そして「どのくらいで変わりますか」「便秘薬と併用できますか」というご質問への答えを、オンライン漢方相談薬局の嶺耀堂(Reiyodo)が解説します。
【この記事の結論:慢性便秘に対する漢方の考え方】
- 症状の正体: 慢性の便秘は「腸の動きが悪い」だけではありません。気の巡りの滞り(お腹の張り・ガス)、腸の潤い不足(コロコロ便)、胃腸の働きの弱さ(疲れやすさ)、ホルモンバランスの影響(生理前後)など、出にくくなっている理由が体質ごとに違います。
- タイプは大きく4つ: 気の巡りが滞っているタイプ/腸の潤いが不足しているタイプ/胃腸の働きが弱っているタイプ/ホルモンバランスの影響を受けるタイプ。
タイプによって、お選びする漢方の方向性が変わります。 - 漢方の役どころ: 腸を刺激して出すのではなく、出にくい理由をタイプで見分け、自律神経・腸の潤い・胃腸の力・血の巡りという土台を整えて、「自然に出る体」を目指します。
- 大事な注意: 血便がある/急に体重が減った/激しい腹痛がある/便が急に細くなった/便秘と下痢を急に繰り返すようになった(とくに40代以降で初めて)——こうした場合は大腸の病気が隠れていることもあるため、まず消化器内科で検査を受けてください。
こんな方からのご相談が多いです
嶺耀堂の便秘のご相談で多いのは、たとえばこんな方です。
- 50代女性: 便秘が続き、お腹の張りやガスが気になる
- 40代女性: 昔から便秘気味で便が硬く、排便時に強くいきむことが多い。排便後もすっきりしない
- 60代女性: 便秘に加えて、疲れやすさや食欲の低下が気になる
年代やお悩みの出方はさまざまですが、共通しているのは、下剤で「出す」ことはできても、「出る体」には戻らないことです。
刺激して出し続けるほど、腸は自分で動く力を失いやすくなります。
西洋医学の視点
慢性便秘症の診断では、まず大腸がんや腸の狭窄など、原因のはっきりした病気の有無を、大腸内視鏡検査などで確かめます。
治療は、食物繊維・水分・運動の指導と、便をやわらかくする浸透圧性下剤(酸化マグネシウムなど)や腸の水分分泌を促すお薬が中心で、腸を直接刺激する刺激性下剤は、連用せず頓用で使うのが基本とされています。
お薬で出るようになる方が多い一方、「刺激性下剤を毎日飲まないと出ない」「だんだん効きにくくなった」「お腹が痛くなる」という声も少なくありません。
嶺耀堂は「病院の検査を受けずに漢方に」とは考えていません。
検査で大きな病気がないことを確かめたうえで、「下剤に頼らないと出ない」「出てもすっきりしない」という部分を、体質の側から漢方で整えていく——その組み合わせのご相談が多くなっています。
漢方の視点:同じ「便秘」でも、タイプは4つに分かれます
嶺耀堂では、便秘のご相談を、東洋医学の観点から大きく4つのタイプに分けて見立てています。
ご自身に当てはまりそうなところを探しながら読んでみてください。
| タイプ | 当てはまるサイン | 漢方の方向性 |
|---|---|---|
| 気の巡りが滞っているタイプ | お腹が張り、ガスがたまりやすい。便意はあるのにすっきり出ない。ストレスや緊張で便秘が悪化しやすい | 自律神経を整えて、お腹の張りを和らげる |
| 腸の潤いが不足しているタイプ | 便が硬く、コロコロしている。排便時に強くいきむ。肌や口の乾燥が気になることがある | 血や潤いを補い、腸を潤す |
| 胃腸の働きが弱っているタイプ | 排便後も疲れやすい。食欲不振や疲労感を伴うことがある。いきむ力そのものが弱い | 気を補い、胃腸の働きを整える |
| ホルモンバランスの影響を受けるタイプ | 生理前や生理中に便秘になりやすい。手足の冷えや血の巡りの悪さが見られる。便秘と下痢を繰り返す | ホルモンバランスや血の巡りを整える |
実際には、タイプが重なっている方がほとんどです(潤い不足とストレスが重なる、など)。
便の状態・張りやガスの有無・疲れやすさ・生理との関係を伺ったうえで、組み合わせを設計していきます。
症例経過:50代女性・20代女性・30代男性のご相談から
実際に嶺耀堂へご相談いただいた方の経過をご紹介します。
※お一人おひとりの実例であり、感じ方や期間には個人差があります。
50代女性:いろいろな薬やサプリを試しても出ず、ガスもつらい
以前から便秘に悩まれ、いろいろな薬やサプリメントを試したものの効果がなく、お腹のガスもつらいとのことで、嶺耀堂にご相談いただきました。
「腸の働きを助け、排便を促す漢方」と、腸内環境を整えて体質改善を促す補助の漢方、血流を整える漢方の3種類をお組みしました。
服用3ヶ月後、便通が整い、調子が良いとのこと。
服用5ヶ月後、お腹の張りも良くなっているとのこと。
現在もお通じの状態は整っており、お薬を調節しながら服用を続けていらっしゃいます。
20代女性:子どもの頃から便秘気味。大人になって、生理と連動して便秘と下痢を繰り返す
幼少期より便秘気味で、大人になってから生理と連動して便秘と下痢を繰り返すとのことで、嶺耀堂にご相談いただきました。
「ホルモンバランスを整え、排便を促す漢方」と、血の巡りを整える漢方の2種類をお組みしました。
服用1ヶ月後、あまり効果が感じられないとのことで、お通じを良くする生薬の量を少し増やして様子を見ることに。
服用1ヶ月半後、とても調子が良く、毎日お通じがあるとのこと。
服用5ヶ月後、ずっと調子が良かったものの、生活のリズムが崩れてしまい、お通じが良くない状態とのこと。
服用6ヶ月後、量を増やしたところ調子が良いとのことで、その量で様子を見ることに。
その後、忙しくて睡眠時間や食生活が不規則になることがあっても、お通じは悪くなく過ごせているとのことで、現在も服用を続けていらっしゃいます。
30代男性:3ヶ月前から、ストレスと連動した便秘が続く
3ヶ月前からストレスと連動した便秘が続き、嶺耀堂にご相談いただきました。
「お通じを整えながら、心の症状も和らげていく漢方」と、腸内環境を整えて老廃物を出しやすくする補助の漢方、お通じを出しやすくする補助の漢方の3種類をお組みしました。
服用1ヶ月後、2日に1回は排便があり、服用前と比べると調子が良くなってきたとのこと。
服用2ヶ月後、1日1回排便があり、下痢の症状もなく落ち着いているとのこと。
服用3ヶ月後、量を減らしたあとも、波はあるものの2日に1回程度の排便は保てており、安定しているとのこと。
順調なため、徐々に量を減らしながら、現在も服用を続けていらっしゃいます。
ご相談では、こんなことを伺います
嶺耀堂のご相談はLINEを中心に行います。
便秘のご相談で実際にお伺いしているのは、こんな内容です。
- 便の状態(何日に1回か・硬さ・コロコロか・残便感・便秘と下痢の繰り返し)
- お腹の張りやガス、排便時のいきみ、排便後の疲れ
- 使っている下剤・整腸剤・サプリメントと、その頻度や効き方の変化
- 食事(食物繊維・水分・油の量)、運動、座っている時間、睡眠
- ストレスの状況、疲れやすさや食欲、肌や口の乾燥、手足の冷え、生理との関係
「便秘とは関係ない」と思っている乾燥や冷え、生理の状態も、ぜひ一緒にお聞かせください。
全身の傾向が、タイプを見分ける手がかりになることが多いのです。
先に知っておいてほしい、2つのこと
①こんな症状があるときは、まず消化器内科へ
血便がある/急に体重が減った/激しい腹痛がある/便が急に細くなった/便秘と下痢を急に繰り返すようになった(とくに40代以降で初めて)——
こうした場合は、大腸の病気などが隠れていることもあるため、まず消化器内科で検査を受けてください。
「ただの便秘だから」と自分で判断して検査を後回しにするのは、いちばん避けたいことです。病気がないことを確かめてからのご相談のほうが、見立ても正確になります。
②病院のお薬を、自己判断でやめないでください
病院の便秘薬や整腸剤をすでに服用されている方は、自己判断でやめたり減らしたりせず、必ず処方医にご相談ください。
刺激性の下剤を長く使っている方も、急にやめると出なくなることがあるため、減らし方は処方医や薬剤師と相談しながら進めてください。
漢方を服用していることも、主治医の先生にお知らせください。飲み合わせの確認も行いますので、ご相談時にお薬手帳などでお知らせいただけると安心です。
【先生コラム①】便秘は「便が出ない」だけの問題ではありません
担当薬剤師:宮本先生(調剤薬局・漢方薬局での勤務経験あり)
便秘は、単に便が出ないだけでなく、ストレスや食生活、胃腸の働き、体の潤い不足など、さまざまな要因が関係しています。
漢方では便通だけでなく、体質や全身の状態も丁寧に確認し、一人ひとりに合った漢方と養生をご提案します。
【先生コラム②】「下剤で出す」と「出る体」は、別のものです
担当薬剤師:倉本先生(製薬会社・調剤薬局での勤務経験あり)
腸を直接刺激する下剤を毎日使い続けると、腸が刺激に慣れて、自分で動く力が弱くなっていくことがあります。「効きにくくなった」「量が増えた」と感じたら、そのサインかもしれません。
「何日出なければ下剤」というルールの前に、水分と食物繊維の種類、体を冷やさない工夫、生理周期とお通じの関係を記録すること——体質に合わせた養生を、漢方とあわせて一緒に整えていきましょう。
下剤の減らし方は、処方医や薬剤師と相談しながら進めるのが安心です。
よくあるご質問
漢方薬を飲むと、どのくらいで症状が和らいできますか?
症状の経過には個人差があるため、「何ヶ月で症状が落ち着く」と一概にはお伝えできません。
一般的に、人の体の細胞が生まれ変わるのに3〜4ヶ月かかると言われていますので、まずは3ヶ月しっかりと服用いただき、様子を見ていただければと思います。
途中の変化はLINEでお知らせください。お通じの様子に合わせて、量や組み合わせを調整しながら進めていきます。
病院のお薬や市販の整腸剤・便秘薬と併用できますか?
基本的には併用いただいて問題ありません。
生薬を用いた整腸剤や便秘薬の場合は、成分が重複することもありますので、ご相談の際に、服用中のお薬の情報を事前にお知らせください。
処方されているお薬を自己判断でやめたり減らしたりせず、必ず処方医にご相談ください。
生理前になると便秘になり、生理が始まると下痢をします。関係がありますか?
はい、関係することが多いものです。生理前はホルモンの働きで腸の動きがゆっくりになりやすく、生理が始まると腸を動かす物質が増えて下痢になりやすい——この波が毎月繰り返されている方は、嶺耀堂では「ホルモンバランスの影響を受けるタイプ」として見立てます。
便通だけでなく、生理周期・手足の冷え・血の巡りをあわせて整えていくことで、月ごとの波を小さくしていくことを目指します。
嶺耀堂(Reiyodo)のご相談はLINEを中心に行い、相談料は無料です。
お腹の張りやガスが強く、食物繊維や発酵食品を増やすとかえって張ってしまう方は、こちらの記事もどうぞ。

「出す」から「出る体」へ、体質から見直しませんか
何日も出ずにお腹が張る。出てもすっきりしない。生理のたびに便秘と下痢の波が来る——下剤で出し続ける毎日は、腸にも気持ちにも負担が積み重なっていきます。
病院で病気の有無を確かめたうえで、自律神経・腸の潤い・胃腸の力・血の巡りという土台から整えていく方法があります。
「いろいろ試したけれど変わらない」という方こそ、まずは今の様子をお聞かせください。
嶺耀堂(Reiyodo)はオンライン専門の漢方相談薬局です。
全国どこからでも、LINEだけでご相談いただけます。
相談料は無料で、お薬のご購入時のみ料金がかかります。
関係性の深い病気;ご相談も多数いただいております。
お届けする漢方について
当店では、医薬品である生薬を粉状にした ❝散剤❞ と呼ばれる、漢方薬を提供しています。市販のエキス剤よりも効果が期待できる、煎剤よりも飲みやすく安価なことから、現代のライフスタイルにより適していると考えたためです。さらに漢方の魅力をひきだすため、その方の体質・体調に合わせて専売薬局のみが取り扱える❝補剤❞を漢方薬と一緒に提供いたします。
オンラインだからできるサービス
服用中のお客様には、体調のお伺いをLINEを通しておこなっております。さらに体質や症状緩和の進み具合をみて、日々行える養生提案=ご自身で体調を整える方法 もアドバイスしております。 飲んだら終わりではなく、長く良い状態で過ごせることをスタッフ全員で目指しております。
専売薬局だけが取扱える、高品質な漢方薬を取り扱っています
取扱っているのは医薬品である漢方薬。 さらに伝統漢方研究会が製造する、専売薬局だけが取扱える漢方製剤になります。 一般的なドラッグストアなどでは入手することのできない、高品質なものを取り扱っています。 またお客様の体質を元に、漢方製材や生薬、自家製漢方薬をバランスよく組合わせることで、ご予算に合わせた提案をお出しすることができます。
漢方薬は近年、その効果が注目されていますが、世間の認知度はまだまだ低いのでは?と感じています。効き目が穏やか、副作用が無い、味はとても苦い、、実はそんなことはありません。症状によっては効果がすぐに感じるものや、副作用の強い生薬も存在します。カラダに合った漢方薬は、甘みを感じることもあると言われています。
私たちが一番伝えたい漢方薬選びのポイントは「ひとりひとりに合わせた薬を選ぶ」ということです。効果を最大限に引き出すためには、細かい症状の出方、その方の体質を考慮する必要があります。Reiyodoのオンライン漢方相談薬局では、AIによる体質チェックと漢方薬剤師のヒアリング、電話相談を組み合わせることで、みなさまの健康をサポートするお守りのような存在でありたいと、スタッフ一同研鑚しております。
漢方薬剤師 宮本 貴美(みやもと たかみ)

調剤薬局、漢方薬局での勤務を経験
漢方以外にもアーユルヴェーダ・メディカルハーブ・アロマ・分子栄養学など幅広く学び、国際中医師も所持
関心のある疾患は、婦人科疾患、不妊症、皮膚疾患
【趣味】
美味しいお店巡り、ヨガ、旅行、読書
漢方薬剤師 倉本 智里(くらもと ちさと)

製薬会社、化粧品会社、調剤薬局勤務などを経験。
その他、体の内側から体調を整える食養生や腸活の知識を習得。
関心のある疾患:皮膚疾患、婦人科疾患
【趣味】
菌活、腸活、カフェ巡り